株関連の関連書籍

私が読んだ(立ち読みを含む)株関連の書籍の感想を纏めています。読んだからって運用がマシになるかってのは別の話ですが、少なくとも経済関連のニュースには詳しくなりますね。

ジム・クレイマーの株式投資大作戦

読破しました。嫁、強ええ。

本書は、米国でヘッジファンド→ファンドマネージャー→投資情報会社代表という稀有な経歴を持つ、ジム・クレイマーという方が執筆した株式投資本です。読み終わった感想としては今まで何となく株で疑問に思っていたことが、かなり整理できました。お勧め

ざっと纏めると以下の通り。

  • バイ・アンド・ホームワークの実践
    「バイ・アンド・ホールド」ではなく「バイ・アンド・ホームワーク」を実践するよう勧めています。「バイ・アンド・ホールド」では絶好の売却のチャンスを逃すばかりか、ポートフォリオに損害を与えかねないとしています。購入前に入念に調査し、購入後も1銘柄に対して週1時間のホームワークを行う必要性があると説いています。このホームワークが行えないのであれば投資信託に運用を任せるしかないとも。
  • 市場は「完全」では無い
    上位優良銘柄の場合、ほぼ適正価格が適用されているが、それ以外の株は大して検討されておらず、いくらでも宝の山を発掘することが可能であるとしています。その証拠として自らの会社の IPO 経験に基づいた話が興味深かったです。
    株は所詮紙屑であるということを強調していましたが、まさにその通りのようです。
  • 5〜10銘柄による分散投資
    少なくとも 5 銘柄程度の株をセクター別に分散して運用することを推奨しています。またバイ・アンド・ホームワークを実践する場合、個人投資家では多くても 10 銘柄が精一杯ではないかとしています。
  • セクターローテーション戦略 (タイミング重視)
    セクター別にタイミングが存在していて、それに則った売買を行うべきだと主張しています。
  • 投機や短期売買を否定しない
    投機や短期売買は、株で大きな利益をもたらすのでみすみす見逃すのは勿体無いとしています。ポートフォリオを崩さない程度にチャレンジすることで株に対するモチベーションを持続することを期待しています。
    市場から立ち去らず長く観察することが重要としています。
  • 買うのは割安である時、売る時は保持する理由が無くなった時
  • 投資信託はインデックスを越えられない
    追加型投資信託の場合、過剰に資金が追加されると小回りの聞いた運用が難しくなり、徐々にインデックスに近づいてしまうことを指摘しています。アクティブ型投資信託の場合、インデックス型投資信託より信託報酬が高く見積もられており、長期間での比較では多くの投資信託はインデックスに勝てない、という結論になるようです。
    よほど腕利きのファンドマネージャで無い限り、インデックス型の方が長期運用に向いているとしています。

関連情報

(06.08.12:記載)

有望株の選び方

株式投資のスタイルとして3つの手法を紹介しています。

  • シクリカル(景気循環)株
  • バリュー株
  • 成長株

中でも興味深かったのが景気循環株。

米国の偉大なる将軍様投資家達が避けるべき分野として今まで光が当たっていなかった投資方法です。景気のサイクルを見極める事が困難な事が原因の一つのようです。

でも今の私の投資スタイルに相性抜群なんです>景気循環株。理由は以下の通り。

  • 景気動向に素直に反応することより、次の投資計画を練りやすい
    「鉱山のカナリヤ」の役割としても有用ではないかと。
  • 景気動向を掴んだ時の上昇幅は、バリュー株、成長株より上を行く
    あまり実感はありませんが (^^;
  • 日本には優秀な素材メーカーが多い
    素材の中では、日本でしか作れないモノも多いです。炭素繊維やシリコンウェハー等はその典型でしょう。素材でも市場独占力のある分野は景気の波に飲み込まれることは無いのではないかと考えています。
  • 指標、為替、先物の動向をヲチすることが苦ではない
    もはや日課。為替を軸にしている投資家(投機家?)の方が真っ先にアラートを出すケースが多いので、それに見習って株を調整しても十分間に合う、という利点があるかと。為替の反応と株式の反応では為替の方が全然、早いですし。

バリュー株の「逆境バネ」の話や、成長株の「センチュリー21・ジャパン」の例など他の本には見られない内容があります。

最近読んだ中の株関連本の中ではかなりお気に入り。ジム・クレイマーの株式投資大作戦の次くらい。

(07.05.05:記載)

なぜか日本人が知らなかった新しい株の本

割安株を見分けるための指南本。

実質的な株価値を割り出し、現在の株価と照らし合わせて割安であるならば購入を検討し、購入後は適切な株価に戻るまでじっくりホールドすることをお勧めしています。

計算部分は読み飛ばしてしまいましたが、全体的に読みやすく私にとって役に立っていると思っています。

(06.09.02:記載)

臆病者のための株入門

インデックス型投資信託を推奨する方々が推奨していることが多い書籍。

どちらかと言うと株式投資指南本ではなく、株とはどういうもので、株で儲ける事の難しさを解説している入門書という位置付けのようです。結論としてはインデックス型投資信託を柱としたアセットアロケーションを推奨しているのですが、具体例が無く、この本だけで運用することは難しいように感じました。あくまで入門書なので具体的な運用は他の書籍を当たった方が良いかもしれません。

損をしない万人向けの運用方法を目指す方にお勧め。

最後のあとがきが興味深い。

最後にお断りしておくと、私自身はここで述べたような「合理的な投資法」を実践しているわけではない。
ひとには、正しくないことをする自由もあるからだ。

著者は、楽しみながら資産運用を行っているから上記のあとがきになったのでしょう。楽しみながら資産運用を継続的に行うには、ギャンブル的な投機もまた必要なのでしょう。

(06.08.31:記載)

トホホ貧乏株日記

読み物としては面白かったですが立ち読みで十分かも。

ライブドアショック前後に株を始めたらしく、その頃の株運用が赤裸々に書かれていました。株の売買経験があれば結構楽しめると思います。分量は少ないので立ち読みで十分事足りてしまうかも =)。

私もライブドアショック後、'06/04 辺りから株に手を出したのですが、とても他人事とは思えないですorz。流石に会社勤めでは 1 円サヤ抜きは出来ませんでしたが、優待目当てとかファンダメンタル無視とか過去の傷がズキズキ。

今思えば初めて買った株はソニー株で、初めて損切りしたのもソニー株だったなぁ、と。まだまだ塩漬け株が大量にあるけど頑張るよ、俺(何を?。

(07.01.03:記載)

とっておき中小型株投資のすすめ

もし「中小型株投資のすすめ」に興味があるのであれば、'06/06 に出版した「とっておき中小型株投資のすすめ」の方をお勧めしておきます。この文庫は「中小型株投資のすすめ」の内容を若干現在のデータに置き換えただけで内容は殆ど変わりませんでした。文庫本で¥700- ととてもリーズナブル。

MSCB についてはとてもお冠のようです。あれ位、株主の資産を狙い撃ちした悪徳なファイナンスも珍しいでしょう。

JPモルガン・アセット・マネジメントの太田 忠さんの著書。ブックオフで100円で購入。100円以上の価値はありました =)。'01/01 に出版された書籍なので記載されている銘柄については古い情報なのですが、基本的な銘柄選びについて何時の時代でも通用するような情報でしたので特に気になりませんでした。

自身のファンドマネージャとしての経験と中小株アナリストという経験より、中小株の選別方法について様々な角度で分析しています。数式などによる分析は無く、企業の分析方法についてページを割いていました。

「日本の中小株市場に割安株投資の文化はない」では米国の機関投資家の失敗例を挙げ、将来性の無い割安株に対する投資が上手くいかないことを解説しています。これは会社側にも問題があって IR 情報等を利用して常に投資家に対して「一歩先を目指している」サインを出し続ける必要性について記載しています。

  • markets.nikkei.co.jp/column/rashin/personal.cfm?genre=q8
    「経済羅針盤」でコラムを掲載しています。

(07.01.21:記載)

株式投資これだけはやってはいけない

株式投資を始める初期に読んだ本。この本にたどり着けてよかったと思ってます。

著者の東保さんは、元山口証券の株式トレーダ。株に取り組む姿勢や実際の株売買に伴う注意点やテクニカル分析の活用法について詳しいです。現場向きでファンダメンタル分析よりテクニカル分析を重視。

株式トレーダ時代の話も興味深いです。

(07.04.14:記載)

会社の値段

とても読みやすい本でした。より良い社会を構築するためには、会社への適切な価格設定が重要であること気が付かせてくれます。

これは私たち投資家の責務でしょう。

  • 資本主義のあるべき姿
    従来の日本の資金調達は、銀行や関係省庁の意向が重要視されていました。このような体制を書籍では「資本主義というよりも社会主義に近い経済システム」だとしています。このシステムではいずれ活発な生産活動が衰えてしまうのではないかと危惧しています。
  • 会社に値段を付ける理屈
    会社を「金の卵を産むガチョウ」に例えて価格のつけ方について解説しています。ガチョウが生きている間に生むタマゴの数(期待値)、ガチョウが卵を産まなくなる将来へのリスク(リスクプレミアム)を考慮して価格が決まるとしています。
  • 「日本的な企業価値」と「欧米的な株主価値」
    IR でよく出てくる企業価値を高めるということは本来どうあるべきなのか、提案しています。日本的な企業価値の場合、取引先、顧客、従業員、株主など様々な尺度があり、どれを優先するかはっきりしないとしています。つまり曖昧なんですね。この曖昧さにより経営者の判断が先送りすることになり、結果、事なかれ主義が蔓延し競争力を失っている、としています。
    本書では「株主価値」を追求するストレートなスタイルが資本主義社会を健全に進化させる、としています。企業の価値を創造するのは経営者の責務で、その経営者を評価するのは株主や投資家であるべきでしょう。
  • 日本らしい「会社の評価」
    外部の投資家からの資金を調達するのだから、その人たちに自分達の考え方ややり方をしっかり説明する義務があるとしています(説明責任)。説明責任さえ果たしていれば、日本らしい経営スタイルが認められないわけではないことをトヨタや松下が証明しています。

多くの日本人が実践している人任せな投資スタイルが、国や銀行に過剰な投資を行っていることに気付くべきでしょう。その結果がバブルとバブル崩壊です。国や銀行に任せっきりの投資から、自らの判断で社会に投資するべきではないでしょうか。

同時に日本の資金が日本の産業に回っていないことに対して疑問に思っています。他国の借金を肩代わりする事が、他国の会社に資金を供給することがホントに老後の備えになるんでしょうか。

ドメスティック投資だと笑われそうですが、私の資金は国内の成長のために使って欲しいと思っています。日本を諦めるのは早すぎる。

(07.05.12:記載)

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Last-modified: 2008.04.06 (日) 17:33:58 (6133d)