市場動向お任せ型は、複数のインデックス型投資信託の組み合わせによる資産配分を中心とした運用により年平均 5% 程度の運用益を目指すことを目的としています。
インデックス型投資信託を活用することにより、各々の資産運用について気を使う必要が無く、大まかな市場動向を把握するだけの運用を行います。
運用方針 †
市場動向お任せ型の運用方針は以下の通り。
基本軸はインデックス型投資信託での運用を目指しますが、買い時期・売り時期は投資家が市場動向から判断し、こまめに売買を行います。市場動向を追わないで運用する場合はバランス型投資信託を利用した「放置プレイ型」の方をお勧めします。
- 運用資産の主軸は日本株、外国株、外債
日本株、外国株、外債を主軸とした資産のインデックス型投資信託による運用を行います。本来なら日本債券も運用する資産に加えたいのですが、現状の運用益は年 1% 程度と低く魅力がありません。現状では短期金融(MRF/MMF)での運用で代用します。
- インデックス型投資信託による運用
インデックス型(パッシブ運用)投資信託は、指数に沿った運用を行う投資信託です。指数は、証券業界や新聞社が策定している指標で一定のルールに則って計算されている「資産の平均点」です。インデックス型投資信託は、指数通りに運用することを目的としているため運用コストが低く信託報酬が少なめに設定されているのが特徴です。
コスト面で長期運用に向いている投資信託と言えます。
- 経済状況に合わせた積極的な資産配分
複数のインデックス型投資信託を決めた資産配分に従って運用します。本来なら運用中の資産配分は変更すべきでは無いのですが、積極的に市場動向を追い続けるモチベーションを高めるためにも少しずつ売買を繰り返します。大きな資産になる前の段階では、売買コストを減らすためにも出来るだけ売却はせず購入だけでバランスを保ちたい所です。
配分例としては以下の通り。外国の資産に配分が多いのは '06/09 現在では円安が解消される見込みが少ないと見ているからです。いずれ円高に振れる時期が来ると考えられるのでそれまでは外国の資産を中心に運用を行います。
- 日本株:20〜33% 程度
購入時期は底、売却時期は天井。突発的なニュースでの変化は元に戻しやすいので活用したい*1。
- 外国株:20〜33% 程度
購入時期は円高かつ底、売買時期は円安かつ天井。市場動向が判断できなければ為替を頼りに外債の購入へ。
- 外国債券:25〜50% 程度
購入時期は円高、売買時期は円安。為替の判断は難しいので自信が無いときは動かないか、こまめに売買。
- 短期金融:0〜25% 程度
ナンピン用。判断がつかなければずっと短期金融に入れっぱなしでも可。普通預金や場合によっては定期預金よりもマシな利息が期待できます。毎月の給与から少しでも短期金融へ積み立てておくことをお勧めします。
- 狼狽売りは避ける
資産配分は長期運用で平均的な運用益を得る方法として多くの投資家が実施している運用方法です。
基本的な運用としては短期金融から配分比率の低い資産の購入をメインとします。狼狽売りは資産の比率を更に下げることに繋がりますので禁物です。また資産の売却はコストが掛かることが多いですのでお勧めしません。
例えば急激な資産の下落が生じた場合、下落した資産の売却(狼狽売り)ではなく、下落した資産の比率を戻すために資産の購入を検討します。逆に急激な資産の暴騰が生じた場合、暴騰した資産の追加購入ではなく、暴騰した資産の比率を戻すため資産の売却を検討します。
- 代替案としてのドル・コスト平均法
下落時に購入するのは決断が必要になります。良好な購入のタイミングは日頃の調査・研究の成果によるものなのですが、そこまで市場動向を追ってられない投資家の方もいるでしょう。このような場合、自分が決めた資産配分のバランスが崩れない程度にドル・コスト平均法による買い付けが有用でしょう。資産配分のバランスを保つため、半年に一回程度のリバランスも忘れずに。
複数のインデックス型投資信託を資産配分を考えて投資する方法については書籍「みんなの投資」を参照しています。書籍では投資信託購入時期を見定めることを放棄し「ドル・コスト平均法」による運用をお勧めしています。良い選択だと思います。
ただ「ドル・コスト平均法」を採用すると市場動向に興味が薄れてしまうことを懸念しています。折角、リスクを覚悟して資産運用の海を航海しようとしているのですから、リスクも運用の醍醐味として味わった方がより楽しい資産運用が出来るのでは無いでしょうか。リスクを直に感じるためにも「経済状況に合わせた積極的な資産配分」を提案しています。
選択基準 †
- 手数料が少ないこと (優先度:★★★)
手数料は、出来るならノーロードでの運用が望ましいです。本来なら長期運用を目指すのであれば手数料より信託報酬の方を重要視すべきです。が、今回の運用方法は、積極的にポートフォリオを弄りつつ、2〜3年程度を区切りとして市場動向に合わせた運用を目指すことより、信託報酬より手数料の有無の方がより影響しやすいと考えています。
2〜3% 程度の手数料を 2〜3 年程度で希釈させるのは難しいのではないでしょうか。
- 信託報酬が少ないこと (優先度:★★★)
信託報酬は 1.2% 程度を上限とします。インデックス型投資信託ならばそれほど難しくない要件であるはずです。
- 購入しやすいこと (優先度:★★)
市場動向を見つつこまめに資産の売買を行うことを目標としていることより、ネット経由で迅速に売買出来ることが望ましいです。電話や窓口での購入の場合、市場動向に沿った売買から遠のきリズムを失います。電話や窓口でしか購入できない環境であるならば、放置型の方をお勧めします。
- 分配金は極力出さないこと (優先度:★)
分配金の受け取りによる税金の前払いは、運用効率を落とす場合が多いです。また、大量の分配金を受け取ってしまうと資産配分にバラツキが出てしまいバランスを取ることが難しくなります。少なくとも毎月分配型の投資信託は今回の方式には合わないです。
- 401k で採用されていること (優先度:★)
401k でも採用されている投資信託ならば、長期にわたって償還されずに運用することが期待できます。そもそも 401k は、長期運用向きの投資信託である場合が多いです。
投資信託リスト †
日本株のインデックス型投資信託の運用方法としては「日経225連動型」と「TOPIX 連動型」があります。ニュースでは日経平均が利用されることが多いので「日経225連動型」の方が人気があるようです。私は「銘柄数の多さ」と「時価総額加重型による適正な株平均算出」であることより「TOPIX 連動型」をお勧めします。
- TOPIX連動型上場投資信託 (1306) (野村アセットマネジメント)
TOPIX連動型上場投資信託は、ETF に属する投資信託です。信託報酬がかなり安め (0.2% 程度) なのが魅力です。ETF は株と同じ売買方法を用いて購入しなければなりませんので、銀行などの窓口では購入できません。
- ノーロードで販売されている TOPIX 連動インデックス型投資信託
インデックス型投資信託の場合、運用実績に大きな差が出ることは稀です。また信託報酬にも若干開き(0.5%〜0.7%程度)がありますが、運用実績に大きな差が出るほどではないのでシビアになる必要性は低いと考えます。
日本株のインデックス型投資信託の多くは、手数料が無料(ノーロード)で販売されています(銀行・郵便局を除く)。まずは手数料が無料である販売会社から購入することを検討すべきです。
外国株の場合、MSCIコクサイ指数に連動するインデックス型投資信託が一般的です。ノーロードで販売している投資信託は残念ながら僅かです。
外国債券の場合、シティグループ世界国債インデックスに連動するインデックス型投資信託が一般的です。外国債券のインデックス型投資信託は非常に数が少なく、ノーロードで運用されているものは見つかりません。
ソニー銀行で販売されている「中央三井外国債券インデックスファンド」が唯一の選択肢になりそうです。