インスパイヤ

  • 「模写」と育成
    昔テレビ*1でチラッとみたネタなんだけど、ヨーロッパの美術館の多くで一般市民の芸術家に対し、画材持ち込み有りで安価で美術館を使用させている文化があるそうな。一流の画家の書いた絵画を「模写」することによってその筆遣いや雰囲気を 直に感じることによって芸術家としてのセンスを磨くことを目的としているとのこと。それを国全体がサポートしているんだとか。つまり国全体が芸術家のタマゴを育成しているわけだ。
    一流の芸術家は最初から異才を放っていたケースと言うのは実は少ないのではないか。ピカソが初期の学生の頃に書いた絵画は確かに上手だが後期のあの印象深い絵とは似ても似つかない。ゴッホは浮世絵に大きくインスパイヤされたとも聞いている*2
    何かに影響され、影響し、徐々に新しいもの(オリジナリティ)は構築されていく、と私は信じている。試行錯誤があって初めてオリジナリティが生まれるのではないか?贋作と模写は結果は同じでも「志」はまったく違う。「志」をないがしろにしてまで結果だけ見て追い込む現状は、果たして芸術家のタマゴの育成という面で良い方向なのか悪い方向なのか。
    カネが全ての、唯一の解決方法でないことを祈りたい。

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*1 多分NHK
*2 芸術についてはよく分からないのであんまり突っ込まないように。

Last-modified: 2006.02.15 (水) 01:40:23 (6644d)