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2ちゃんねるで学ぶ著作権

他人様の著作権には無関心で、自分の些細な権利が侵害されるとお祭りになる土地柄というか、そんな所から発信している書籍なので興味津々。取り敢えず立ち読みしてみて面白ければ購入予定。

PDF 版のサンプルにあった共同著作権という考え方には興味があります。スレッドの書き込みを行った全員が権利者であるという考え方らしい。私は、持っている権利と責任は対に存在していると考えています。つまり権利分だけ責任を果たせ、と。例えばスレッドの中の一人の書き込みが権利侵害であった場合、それは全員がその責を果たす必要があるのだろうか(連帯責任?)。

権利に付随する責任についてどう考えているのか、私の疑問にどう答えてくれるのか興味があります。どこぞの P2P 本のように「ダウソだけなら合法」のようなアレな法解釈なら要らない。

(06.07.06:追記)

立ち読みしてきた。取り敢えず私が理解している著作権の解釈と大きな差が無かったことが確認できました。若干、2ちゃんねらー擁護寄りなのが不満といえば不満だけど、間違ってはいないと思う。著作権という権利自体、グレーというか、その時の力関係というか、大声張り上げた方が勝ちというか、理屈では理解できない側面が多いと感じているので、権利を侵害しているという考えと侵害していないという考えの並立が望ましかったのですが。

興味深い所は共同著作権という考え方。

スレ立ての著作権真っ黒なコピペでもその後の 1000 の書き込みでコピペが共同著作権として引用に変わる可能性があるという指摘。私も昔、それを考えたことがあったんだけど、仮にその 1000 の中の書き込みに犯罪性の高いものがあった場合、延べ 1000 の共同著作権者も同様の責任を負わなければならないのではないか、と。権利を主張するならその分の責任を負うのは当然だろう。少なくとも共同著作権というのはそういう面を多分に持っていると考えています。

「のまネコ」ネタと「毒男」ネタも2ちゃんねるらしい。

後、2ちゃんねるへの書き込みと著作権の扱いも興味深い。あの条件で書き込みしようとは思わないし、勿体無いと思うんだよね。勿体無いと言うのは著作権を盾にガッポガッポ儲けろ、という訳じゃなく、自分で著作権を管理することで例えば Creative Commons を採用して皆に利用できるコンテンツにも出来る訳だ。2ちゃんねるに名無しさんで書き込めば事実上、その権利の大半は失われる。

自分で著作権を管理するのが面倒だから音楽家は JASRAC に一任しているのと変わらないね。著作権の扱いが自分の意思と反していたとしても契約は契約だ。私からすれば勿体無い。

著作権関連の書籍では「萌える法律読本 ディジタル時代の法律篇」がお勧め。若干癖のある画風とアレなノリさえ耐えられれば、退屈せずに広く著作権について理解できるはずです。

とてもイイ本なのに世間はあの表紙にある種の嫌悪感を覚えるようだ。勿体無い。

06.07.05 記載


Last-modified: 2006.09.02 (土) 22:49:00 (6437d)