USB:データ転送速度 (LS, FS, HS) †USB は、機器の使用用途に合わせてデータ転送速度を選択できます。 例えばマウスやキーボードのようにデータ転送速度に拘らない機器の場合、低速(LS)を選択することで、FSやHSに比べコストを安く抑えることが出来ます。特に LS の場合は、ノイズによる影響をあまり考えなくて良いらしく弱々しいケーブルで接続されているのをよく見かけます。 逆に USB 接続 HDD の場合、HS で無ければ HDD 本来の速度を生かすことが出来ないので HS は必須でしょう。興味深い所では、HS 対応の外付け HDD には必ずと言っていいほどケーブルが付属されていますが、あれはサービスというよりも「このケーブルを使って接続して欲しい」という切なる希望のようです =)。3〜5m のケーブルで接続してみると色々面白い(?)現象が見られます。 Low Speed (LS) †電気的な転送速度は「1.5Mbps」です。マウスやキーボード等の比較的データ転送速度が必要ではない機器に使用されます。 LS を選択することによって電気的に制約が少なく、ケーブルもツイストペアにする必要が無いので安価に作りやすい特長を持っています。しかし複数の USB 機器が接続されている環境ですと他の USB 機器の帯域を長時間に渡って奪ってしまうことになり、全体的なパフォーマンスが失われやすいと言う欠点があります。 USB 2.0 の Hub 仕様では、LS/FS 機器との共存を意識し、USB 機器の帯域を潰さないような仕組みが施されています(Split transaction)。最近の PC は USB Port が多く用意されているので直接接続している限りでは気にする必要性は少ないと思われますが。 Full Speed (FS) †電気的な転送速度は「12Mbps」です。多くの機器で使用されている転送速度です。 Hi-Speed (HS) †電気的な転送速度は「480Mbps」です。一時的に大量のデータ転送が必要とされる USB HDD や USB スキャナー、USB プリンタ等に適用されています。 USB 立ち上げ当初には存在していなかったデータ転送方式です。Intel 社が中心となって USB の上位互換仕様である「USB 2.0」を後から制定しています。 Hi-Speed で動作するには以下の環境が全て揃う必要があります。どれか一つでも欠けた場合、FS/LS で動作させなければなりません。たまに「HS のみ対応」という USB 機器が見かけられますが、USB の仕様からは逸脱しています。「HS 以外には使い物にならない」というのが正しい見解でしょう。
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