USB Protocol Analizer

USB Protocol Analizer は、ホスト⇔デバイス間のプロトコルのやり取りを解析するツールです。物理的に解析するものとソフトウェア的に観測するものと2通りあります。

ソフトウェア的に解析するソフトウェアの場合、USB ドライバとの間に専用の Filter Driver を仲介させ、データのやり取りを観測することになります。非常に安価である反面、OS に依存するので接続前(PnP時)の問題を検出できなかったり、対応していない OS では使用できなかったりします。仕様が公開されていない機器を Hack するのにも役立ちます。

物理的に解析する場合、専用の機器が必要になる分、高価ですが OS を選ばず PnP のやり取りや NACK や Stall 等の返却値をつぶさに観察できるので、Firmware のバグ潰しには無くてはならないものです。

関連情報

Hardware

ハードウェアを使用した解析の場合、様々な OS に対応出来ます。ハードウェアの仕様が悪いのか、ソフトウェアの組み込みが悪いのかを判断するのに欠かせません。

相当お値段が張るのが欠点でしょうか。

  • USB Tracker 110 (Ellisys)
    13万円台で購入できるプロトコルアナライザです。Full/Low speep まで対応しています。データ転送部分は Hi-Speed に対応しておりデータ転送が高速です。観測側の PC の HDD の要領が許す限りプロトコルを観測できるのは他には無い強みですね。
    Hi-Speed に対応したUSB Explorer 200という製品もあるのですがお値段は $3,000- とお高め。Hi-Speed 特有の解析が必要ないのなら Hi-Speed 機器と Host の間に USB 1.1 対応 Hub を噛ませばそれなりの解析が出来ますので不自由はしないはずです。
    ちなみに私の愛用品です =)。私は日本代理店のキャロットシステムズから購入しています。
  • USB Analyzers (LeCroy)
    旧 CATC(Computer Access Technology Corporation)。買収でもされたのでしょうか。
    USB 立ち上げ当初からアナライザを販売している老舗。一番安価なモデルの USB Chief でさえ 100 万円を超えていたと思いました。今はもう少し易くなっているのかもしれませんが、プロトコルアナライザの相場なんてそんな感じです。

Software

ソフトウェアを使用した解析の場合、Windows で開発された Driver のプロトコル状態を表示することになります。この場合、対象となる USB 機器の Windows の Driver が必要不可欠となります。Windows 以外の OS への移植等に役立つでしょう。

ハードウェアによる解析と比べると、無償、もしくは安価であるのが特長です。

  • Usb Sniffer for Windows (SourceForge.net)
    SnoopyPro の本拠地。GPL ライセンスの元に開発が行われており、当然 source も公開されています。フリーソフトウェアの中では一番使いやすいと思います。お勧め。
  • USB Snoopy
    上記の SnoopyPro は USB Snoopy から分家して開発された経緯があります。昔から開発されていたツールですが、使いやすさからすると SnoopyPro の方が上かも。
  • USB Port Monitor (HHD Software)
    シェアウェア('04/08 現在、$69.99-)。試用可能。出力内容は SnoopyPro とほぼ同じですが、解析も行ってくれます。日本で入金できる仕組みを持っていれば購入したい所なのですが、、、
  • SourceUSB
    シェアウェア('04/08 現在、$350-)。話題に挙がることが多くなったツール。まだ試用はしていませんが近日中に試用する予定。
  • WDM Sniffer (http://frontline.compuware.com/nashua/patches/utility.htm)
    USB 以外にも IEEE1394 等の WDM Driver 全般に対して Sniff 出来るみたい。未使用。

Last-modified: 2006.11.04 (土) 22:53:10 (6380d)