Virtual PC

Virtual PC は、PC(x86) をエミュレーションする商用ソフトウェアです。06.07.12 に Virtual PC for Windows が無償で公開されています。

特徴としては以下の通り。

  • 互換性の高い PC/AT 仮想環境
    長い開発実績からか、他の仮想環境と比べると互換性は高いです。高い互換性の一つとして、Guest OS*1 内に実際に市場で使用されている BIOS*2 が組み込まれています。これも商用ならではの利点の一つであると言えます。
  • Windows 版と Mac(Power PC) 版
    Virtual PC は、Windows 版と Mac 版の2種類の製品が用意されています。Windows 版は '06/07 に無償にて入手出来ます。Windows 版と Mac 版の仮想環境での互換性は無く、例えば Mac 版で作成した Guest OS を Windows 版で使用しようとすると、Guest OS 内で PnP が始まりシステムの再構築が始まります。若干ですがエミュレートしている仮想環境にも違いがあります。
    Windows 版の Virtual PC は、CPU 自身はエミュレートしておらず、実際の CPU を(ほぼ)ダイレクトで使用しています。この動作により、仮想環境でも速度を損なわずにエミュレートすることが可能になっています。
    Mac 版の Virtual PC は、CPU 自身をエミュレートしています。CPU をエミュレートしている分、Windows 版と比べるとパフォーマンスは落ちます。
    Intel Mac 版の Virtual PC は、開発中らしいのですが詳しい話は聞きません。状況により開発中止する可能性はあるかもしれません。
  • 仮想環境で動作する OS の種類が豊富
    エミュレート自身の実力は高く、Windows はもとより、Linux、BSD、Netware、OS/2、Solaris、超漢字等、様々な OS をサポートしています。同じく商用の VMware よりも動作する確率が高いです。
    ちなみに Microsoft 社が開発を行い始めてからサポート OS から Linux 等の Windows 以外の OS がサポート範囲から除かれましたが、Connectix 社時代と同じレベルで動作しています。変に Windows しか動かないようなギミックは今の所、仕組まれていないようです。
    また、Virtual PC のサーバー版である Virtual Server では Linux をサポート対象とすると言う発表がありました。
  • Microsoft 社が開発・販売を行っているお墨付き?
    Virtual PC は、もともと Connectix 社が開発していました。'03/02 に Microsoft 社が Connectix 社の Virtual PC 部門を買収し、以後、Microsoft 社が開発を続けています。仮想環境なので、イマイチ世間からは安定性や互換性など信用されていない部分が多かったのですが Microsoft 社が直接サポートすることより理由無き安心感が得られる利点があるようです。人に勧める場合に「Microsoft 社製なので安心」とミョーな安心感を持たせることも可能です =)。
  • Windows のエミュレートはピカイチ
    特に Windows 系のエミュレートの出来は非常に良いです。仮想環境のサポートツールも充実し、更新される頻度も高いです。私は利用した事がありませんが、Windows なら手厚いサポートが受けれる可能性が高いですし、内部が理解できている関係上、バグ修正も早いのではないかという期待もできます。
  • Virtual Server も Virtual PC for Windows も「無償」
    無償で公開されていないプロダクトは Virtual PC for Mac だけになりました。ここまで無償公開が続くと何処で稼ぐのか理解が難しくなります。サポート費用で捻出するのでしょうか。簡単に捻出できるのならサポート専用の会社が出来ても良いはずですよね。

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*1 Guest OS とは仮想環境内の OS のことを指します
*2 AMI社製

Last-modified: 2007.06.03 (日) 15:40:11 (6165d)