Q.「Virus の名付け親」って誰? †
A. Virus の命名は各 Virus 対策ベンダー担当
Virus の生みの親は Virus 作者、育ての親は感染者として名付け親は誰になるのでしょうか?どうやら Virus の命名は Virus 対策ベンダー担当が行っているようです。
最初に該当 Virus を担当した者がその Virus を命名する権利(?)を得るようです。特に命名に当たっては何らかの規則があるわけではないので、担当の嗜好が反映されることが多いようです。過去の Virus の命名を見るとマチマチなのが分かると思います。
- Nimdaの場合
管理者(ADMINISTRATOR) を表す ADMIN を逆にもじったモノが Nimda とされています。されています、としたのは過去の記事では何処のベンダー担当が命名したか分かっていないようです。
- Code Redの場合
eEye Digital Securityのスタッフの方が担当者で、Virus を発見した当時に召し上がっていたのが Code Red というソーダ水、とのこと。
- MSBlaster の場合
Worm の実行ファイル名が msblast.exe であることから来ていると思われます。発見当初は確か違う命名がされていたはずですが、感染被害が広範囲に渡ったため統一した Virus 名が必要になったことより上記の命名になったのではないかと推測しています。同じノリで Melissa も同じで Virus code 内に 7 回も「Melissa」という単語が出てくることより命名したようです。
- Klez の場合
ネーミングが興味深いです。以下は ウイルスの名前はどうやって決まる? (Wired News, 03.09.04) より引用。
「たとえば、クレズの作者は、ウイルスの一部を暗号化することでコードを隠そうとした。そこでわれわれは暗号キーに含まれる一連の文字列にちなんで、クレズ(Klez)という名前をつけた。つまり、『お前のやっていることは見抜かれているぞ』と宣言したわけだ」
色々調べては見たものの、舞台裏(Virus 対策担当者)にまで話題が上ることは稀なんですね。殆ど、Virus の命名についての記事を見つけることが出来ませんでした。もう少し舞台裏が見られると、親近感も枠というモノなんですけどね。
お仕事、ご苦労様です =)。
News †
- 「BAGLE」が引き起こしたウイルス命名論争 (from archive.org, ITmedia, 04.01.22)
「BAGLE」という命名がベーグル(bagel) とのつづり間違いではないかという問い合わせが多かったんだそうな。記事ではもっと分かりやすい命名に統一して欲しい、とのこと。とはいえ Sophos 曰く「残念ながら、永遠に実現しないのではないだろうか。ハリケーンが近づいているというのであれば、合意に達するまでに数時間は時間的な余裕があるだろうが、こうしたウイルスの場合は発生から数分で世界中に広まってしまう」とのこと。
- ウィルスの名前はどうやって決まる? (from archive.org, Japan.CNET.com, 99.04.01)
ウィルス名の決まり方について記載があります。基本的には Virus 作成者の意図する名前を命名することは避けているようです。