+α型は、80% を長期運用に堪え得る運用方法に回し、残りの 20% をリスクの高い投資信託で運用することで+αの利益を目指すことを目的としています。
運用方針 †
+α型の運用方針は以下の通り。
- 運用資産の 80% は長期による運用を目指す
長期運用向けの投資信託の運用については長期放置プレイ型や市場動向お任せ型を活用します。
- 運用資産の 20% は特徴のある運用を目指す
市場平均的な株・債券以外の投資信託を若干加えることで、資産運用を安定化・活発化することを目的としています。市場平均から大きく離れることはリスクを多く取る事に繋がりますので、全体の資産運用に響かない、20% 程度を目安に組み込むのが宜しいかと思います。
特徴のある運用は以下の通り。
- ハイリスク・ハイリターン型
リスクの高い地域・分野に対して投資します。特徴として、カントリーリスクなどのリスクを負う分、それなりのリターンが期待できます。この手の投資の場合、リターン以上のリスクを背負っている場合が多いようです。リスクの取りすぎには注意した方が良いかと思われます。
例として BRICs を始めとする新興国への投資が挙げられます。
- テーマ型
特定の分野に対して投資します。特徴として、一定時期に特定の分野に対し資金が流入し急激に成長する場合が多く、多くのリターンが期待できます。この手の投資は、資産の浮き沈みが激しく、儲かる時は大きく儲かるのですが、損をする時はトコトン損をします。見極めが重要なのですが、長期運用での見極めはリスクが高いと考えます。
例として小型株、金鉱株等への投資が挙げられます。
- 株・債券以外の何か型
市場平均的な株・債券に影響されにくい資産に対して投資します。特徴として、株・債券に影響されにくい資産運用なので、リスクが分散される効果が期待できます。最近のバランス型投資信託で組み込まれることが多くなっています。この手の投資は、資産に対しての正しい判断がしにくく、正当なリスクやリターンの判断がしにくい欠点を持っています。
例として REIT、ハイ・イールド債、商品(コモディティ)に対しての投資が挙げられます。
選択基準 †
- 手数料が少ないこと (優先度:★★★)
手数料は、出来るならノーロードでの運用が望ましいです。手数料が高く設定されている場合が多いので探すのは難しいと思われます。投資家の心情として、支払った手数料を取り戻すためにズルズルと「塩漬け」するパターンを見かけます。リスクが高い資産の場合、一度落ち込むと復帰不可能な場合が多く「損切り」を検討しなければならないかもしれません。
高い手数料は「損切り」の決断を鈍らせます。
#ちなみに銀行のネーチャンは、高い手数料は高いリターンが期待できる証拠とか言っていたような。ぉぃぉぃ。
- 楽しいこと (優先度:★★★)
やっぱり楽しくないと =)。リスクを半ば楽しめるような投資信託をお勧めします。毎月のレポートを読むのが楽しみになる程度であれば、若干のリスクも苦にならないですし、市場動向についての知識も得られます。
運用を続けるモチベーションを高められる投資信託が理想です。
- 信託報酬が少ないこと (優先度:★)
通常より高く設定されている場合が多いのです。安価な信託報酬を探す手間よりかはリターンや特徴のある投資信託を探した方が良いかもしれません。
投資信託リスト †
新興国(エマージング)の株・債券 †
- ◎:高い成長率
既に必要なインフラが一通り揃っている先進国と比べ、新興国のインフラは足りない状況が続いています。今後は強い需要に支えられ、新興国内の産業が急速に成長する可能性が高いと見られています。
高い成長率が期待でき、かつ割安なので先進国よりリターンに対する期待が高いです。
- ×:高いリスク
先進国と比べ、新興国は政治や通貨などの不安定要素が多くリスクが高いとされています。例えば政府の方針により海外からの資金流入が規制されたり、債権放棄等が行われると資産の価値が暴落する危険性があります。また通貨危機により投資した国の通貨が暴落した場合でも同様です。
リスクが高い分、債券の利回りは高く設定されている場合が多いです。
- ×:小さな市場
新興国は、資金の受け皿となる市場の規模が小さく資金の流通量も少ないです。このような市場の場合、大量の資金が流入した場合、資産の価値が暴騰します。逆に大量の資金が流出した場合、資産の価値が一気に暴落します。新興国への投資は、海外からの資金が殆どです。新興国の経済状況よりも海外の投資家の状況次第で市場が形成されることが多く、不安定要素となっています。
ハイ・イールド債 †
- ×:高いリスク
信用性の低い社債等に対して積極的に投資を行います。よって通常より債券不履行に陥る可能性が高く、投資した資金が回収できない可能性もあります。
- ○:高い利回り
ハイ・イールド債は信用性が低い分、利回りが高めに設定されています。利回りが低いと投資家が購入してくれないからです。
- ×:株との高い連動性
ハイ・イールド債は、株価の上昇とともに価値が上がり、株価の下落とともに価値を下げる特徴があります。例えば、市場評価の高い会社の場合、株価は高く社債の人気も高いので社債の価値も上がります。株価が下がるとその会社に対しての評価も下がり、社債の価値も下げることになります。よって、資産バランスとしてはハイ・イールド債は「債券」ではなく「株」として扱った方が正しいかもしれません。
REIT †
- ○:株・債券に連動しにくい資産
REIT は、不動産に対して投資を行うことより株や債券に連動しにくい資産運用だとされています。資産バランスの一つとして組み入れることで資産の安定的な運用を行うことを期待されています。最近の流行のバランス方投資信託には殆どと言って良いほど資産の一部に REIT が組み込まれています。
- ×:目に見えにくいリスク
不動産は、株や債券と異なり価値が判断しにくい資産であるとされています。REIT 先進国である米国では、かなり厳しい判断基準と公開性を求められているとされていますが、日本では米国ほど厳しくはないという話を聞きます。ちょっとしたきっかけで REIT の価値が下落する可能性が指摘されています。
- ○:ミドルリターン
日本の REIT (J-REIT) のインカムゲインは、平均年 4 % 程度です。家賃などからの安定収入が多いので予想を大きく下回ることは少ないとされています。物価の上昇(インフレ)と共に家賃も上昇することが期待されていますので、インフレに強い資産とされています。
- ×:金利政策との比較
短期金利が上昇すると REIT の価値が下がるとされています。REIT と短期金利のリターンを比較した場合、短期金利が有利になり始めるとリスクの高い REIT からリスクの低い短期金利に資金が流れるとされているからです。
商品(コモディティ) †
- ○:株・債券に連動しにくい資産
商品は、商品の値上がりに対して投機を行うことにより株や債券に連動しにくい資産運用だとされています。資産バランスの一つとして組み入れることで資産の安定的な運用を行うことを期待されています。
- ×:理解しにくいリスク
- ?:ミドルリターン