*3. リスクを理解しよう ([[投資信託/ポイント]]) [#title]
投資信託による資産運用は、様々なリスクを伴います。投資する資産によって、投資家が負うリスクの高低が異なる事に注意しましょう。

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リスクを理解しないうちに運用を始めると、資産価値が下がったときの対処が遅れたり、早過ぎたり、場合によっては手遅れになったりします。一般的には高いリスクを負う事で高いリターンが得られるとされていますが、投資信託の場合、リスクの割には期待されるリターンが少ない商品が多々あります。気をつけましょう。

*運用資産別リスク [#d79b9b50]

**債券<株 [#oa7cc1b8]
債券は、予め決められた利率に基づいて運用を行うので運用益が確保しやすい分、リスクが少ない投資といえます。投資信託の場合、債券に対する投資は「''公社債投資信託''」と「''株式投資信託''」に分類されています。

公社債投資信託は、短期の公社債のみに投資する運用で MMF, 外貨 MMF がこれに当たります。株式投資信託は、公社債投資信託より自由度の高い運用が可能ですが、その分、リスクは高めです。ちなみに公社債投資信託ではない投資信託の場合、例え株による運用を行っていない場合でも分類は株式投資信託なのだそうです。

中長期の外債を組み合わせて投資する運用を行っている「グローバル・ソブリン・オープン」は株式投資信託に分類されます。

公社債投資信託は、短期の公社債のみにしか投資出来ないので、その国の通貨の金融政策に大きく左右されます。例えば、現在('06/09)の日本の短期金利は 0.25% ですが、MMF は、0.2〜0.27% 程度の利回りが期待できます。短期金利が上がれば、次第に MMF の利回りも上昇しますし、短期金利が下がれば MMF の利回りも下落します。

-[[投資信託/公社債投資信託]]

**日本国債<外国債 [#j777f4ca]

(投資信託ではありませんが)個人向け国債は、元本保証があり((早期解約を除く))、定期預金より利率が高く設定されていることより、安全な投資先として人気があります。日銀の金利政策に左右されやすいので、金利が上向くことが予想される場合には変動型、金利が下がることが予想される場合には固定型を選択すると良いでしょう。

外国債の場合、為替変動によるリスクを伴うのでその分リスクが高いです。年間 5% の利率が期待できたとしても為替が年間 10% 下落した場合、円転をすればマイナス運用になります。高利回りの通貨は、それなりの理由があって高利回りであることに注意しましょう。

-[[投資信託/リスク/為替]]

**国債<社債 [#uce221db]
国が発行する債券(国債)は、会社が発行する債券(社債)より債券不履行になる可能性が低いため、リスクが少ない投資といえます。ハイ・イールド債を扱う投資信託では、比較的信用度の低い社債を組み込まれて運用しています。

ハイ・イールド債は、信用度の低い債券ですのでその分、リスクが高く、利率も高く設定されています。債券不履行にならない債券の組み込みは、ファンドマネージャーの手腕に掛かっているといえます。いかにも投資信託っぽい運用と言えるでしょう。

-[[投資信託/債券/ハイ・イールド債]]

**先進国<新興国(発展途上国) [#q118fbf0]
先進国は、日本、米国、欧州を指します。新興国は、それ以外の投資先国とします。最近人気の BRICs は、新興国を投資先としています。

新興国の投資環境は、まだ日が浅く市場が小さいために先進国より多くの割安な資産が放置されていると言われています。もともとの市場が小さく流通量が少ないか規制されている場合が多いです。先進国から新興国へ纏まった資金が流れ込むと急激に資産価値が暴騰する反面、新興国から先進国へ資金を引き揚げると急激に資産価値が暴落する場面もあります。

先進国の経済状況や資産家の人気に左右されやすいことに気をつける必要があります。また新興国は政治的に不安定である国が多く、政治の動向次第で通貨の価値が大きく変化するリスクもあります。

暴騰も暴落も運用面では高いリスクであると認識する必要があります。

-[[投資信託/株/新興国]]
-[[投資信託/債券/エマージング債]]


**インデックス型日本株≒インデックス型外国株 [#f16177c5]
外国株には、価格変動リスク以外にも為替リスクが伴うので日本株よりリスクが高いです。

多くの場合、世界経済に比例して日本株も追従するので外国株との運用の差は大きくありません。最近の日本株は、外国資本の影響を多く受けており新興国に近い価格変動がよく見られます。このような状況では、外国株全体を扱っている投資信託(インデックス型外国株)の方がより安定的に価格が変動しているように見えます。一概に日本株のほうがリスクが低いとは言えないのではないでしょうか。

ただし、国を指定した外国株(特に新興国)の場合は、日本株以上にリスクが高いです。




*投資信託別リスク [#j6510a6a]
**MMF/MRF (安全度:◎、期待リターン:普通預金より若干マシな程度) [#mmf]
MMF/MRF は、国内の短期公社債を中心に投資を行います。

運用益は日本の金利政策に左右されます。投資信託の中では最もリスクが低い投資とされていますが、元本の保証は無く元本割れの可能性は無いわけではありません。過去、債権不履行により MMF の元本割れが発生していますが、滅多に起こるものでは無いと考えてよいでしょう。

MRF は、投資家の現金の一時保管先として利用されています。'06/09 現在、普通預金の利息が年 0.1〜0.2% に対し、MMF/MRF は年 0.2〜0.26% 程度のリターンが期待できます。

-[[投資信託/公社債投資信託/MMF]]
-[[投資信託/公社債投資信託/MRF]]

**外貨 MMF/BST (安全度:○、期待リターン:外貨定期預金より若干マシな程度) [#bst]
外貨 MMF は、対象通貨の短期公社債を中心に投資を行います。

投資信託の中ではリスクは低い方なのですが、他の投資信託と比べ為替に影響されやすいです。運用には為替と相場の知識が必要不可欠になります。利率が高い通貨には、国ごとにそれなりの理由があります。これを理解していないと為替の変動により運用がままなりません。

外貨 MMF は、外貨預金と比べると換金性の良さ、スプレッドの低さ、税金の有利さ、利率の高さ等どれをとっても有利です。外貨預金は、銀行にとって「ぼったくり金融商品」の一つであることを理解すべきです。長期の運用を目指すなら外貨 MMF より税制面で有利な BST を検討してみる価値はあるかもしれません。

-[[投資信託/公社債投資信託/外貨MMF]]
-[[投資信託/公社債投資信託/BST]]



**ソブリン債に対して投資を行う投資信託 (安全度:○、期待リターン:年 3〜5 %程度) [#sovereign]

この投資信託は、信用度の高い中長期の国債に対して投資を行います。

国に対する債券なので債券不履行になるリスクが少なく、中長期的に高い利率をキープした運用を目指しているので、リターンも安定しています。ただし、為替の影響を受けやすいので為替の変動により元本を下回る場合があることに注意しなければなりません。国や地域を指定した外債の投資信託もありますが、地域を絞り込むことは国別のリスクを負う事になるのでお勧めしません。多くの国に対して広く投資を行う事でリスクを分散させているグローバル型の投資信託をお勧めします。


**日本株に対して投資を行う投資信託 (安全度:△、期待リターン:年 5〜10 %程度) [#japan-stock]
この投資信託は、日本株に対して投資を行います。投資信託の中では一番種類が多いです。

**外国株に対して投資を行う投資信託 (安全度:△、期待リターン:年 5〜10 %程度) [#forign-stock]
***J-REIT に対して投資を行う投資信託 (安全度:△、期待リターン:年 5 %程度) [#j-reit]
***REIT に対して投資を行う投資信託 (安全度:×、期待リターン:年 5〜10 %程度) [#reit]


**新興国の株や債券に対して投資を行う投資信託 (安全度:×、期待リターン:年 5〜15%程度) [#brics]
この投資信託は、BRICs 等の新興国に対して投資を行います。





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