USB 2.0

USB 2.0 は、USB 1.1 ( LS(1.5Mbps)/FS(12Mbps) ) に Hi-Speed USB (480Mbps) を追加した規格です。

USB 2.0 の特徴

Hi-Speed(480Mbps) のサポート

USB 1.1 の Full Speed(12Mbps)/Low Speed(1.5Mbps) のデータ転送速度に加え、Hi-Speed(480Mbps) が新たに加わりました。これにより FS では足りなかったデータ転送速度を HS で補うことが可能になりました。高速と言われているシリアル転送規格の IEEE1394 は400Mbps なので、比較しても遜色が無くなりました。

USB 2.0 は Hi-Speed + Full Speed + Low Speed を包括した仕様になります。例え Full Speed のみサポートした USB 機器でも USB 2.0 仕様に沿って作成されていれば「USB 2.0 サポート」と言えるのです。実際、スペックシートには「USB 2.0」と記載されているにも関わらず FS のみのサポートというケースもありました*1。気をつけましょう。

従来の USB 1.1 機器との混在が可能

Hi-Speed USB 機器と USB 1.1 機器が混在する環境でも Hi-Speed USB の速度を失うことの無いよう、様々な仕組みが組み込まれています。

効率的な Bulk 転送を可能にした PING トランザクション、Hi-Speed USB 対応 Hub 間でのみ使用される Split トランザクションがそれに当たります。

Mini-B コネクタ

USB 2.0 では USB 1.1 の A コネクタ、B コネクタの他に、Mini-B コネクタを標準化しています。

Mini-B は、主に B コネクタを採用しにくい小型の携帯機器のために標準化されました。標準化される前は、各ベンダー毎にコネクタが異なり、独自ケーブルが乱立していた背景があります。

USB 認証ロゴプログラム

USB-IF では USB ロゴは従来のマークではなく USB-IF の認証を受けた「Certified USB Logos」を使用するよう推奨しています。

旧ロゴは、特に制限が無くどのような USB 機器にも使用できるロゴに対して「Certified USB Logos」はUSB-IF の認証を受けた機器に対してのみ使用できるのが特徴です。このようなロゴを推奨する背景には Hi-Speed USB の電気的なタイミングがシビアであることに影響しています。特に USB 1.1 時代の USB ケーブルは Hi-Speed USB に堪え得るものが少なく、劣悪なものが多かったようです。Hi-Speed USB の互換性を高めるには、それなりのテストを行う必要性が出てきた訳です。

「USB 2.0 対応(準拠)」という表記の混乱

「USB 2.0 対応」という表記には注意が必要です。「USB 2.0 対応」と言っても Hi-Speed をサポートする必要性は無いからです。

USB 2.0 は LS/FS/HS の全体の仕様で例え Hi-Speed をサポートしていないとしても、USB 2.0 仕様通りに設計していればそれは「USB 2.0 対応」と言って何ら問題はありません。「USB 2.0」=「Hi-Speed USB」では無いことに注意されたい。

USB-IF では USB 2.0 で定義されている Hi-Speed 転送をサポートしている USB 機器に対しては「Hi-Speed USB」という用語を使用し、従来の Low/Full Speed 転送の USB 機器に対しては単に「USB」とするよう推奨しています。この背景には USB 2.0 という規格は Low/Full/Hi-Speed を包括した規格であることに起因しています。仮に Low Speed しかサポートしていない USB Mouse でも USB 2.0 の規格通りに設計されていれば「USB 2.0 対応」と名乗ることは可能です。実際、「USB 2.0 対応」もしくは「USB 2.0 準拠」と名乗っていたとしても Hi-Speed 転送をサポートしていない機器もあり、混乱の元となっています。

市場では「Hi-Speed USB」という用語になじみが薄く、マーケティング的にメリットが無いのが現状です。PC 雑誌等で啓蒙してくれれば良いのですが、そういう人材は居ないんでしょうね。

Windows の対応状況

関連情報

用語


*1 米国 OEM メーカーに多い。意味も分からず丸投げしている内にこんな状況になったのかと。嘘じゃないけど間違えることを想定した詐欺行為に近いよなあ、これ。