Link は自由でありたい
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「Link は自由でありたい」は、Internet 上でリンクを張ることで起こる問題点を取り上げています。
リンクとは
リンクの定義
ここで扱うリンクの定義は以下の通り。
- a 要素、link 要素を用いた通常のリンク (normal links)
img 要素や object 要素を用いた埋め込みリンク(embedding links) は扱っていません。このような埋め込みリンクによる他サイトへのリンクは、参照の領域を越えたリンクと考えています。
- frame 要素 によるリンクは含めない
他サイトの web page をあたかも自サイトに組み込むような使い方を行うような
flame 要素によるリンク方法については扱っていません。このようなリンク方法は、参照の域を越えていると考えています。
web の開発者 Tim Berners-Lee さんの見解 [Links and Law: Myths(W3C)]、[Links and Law(W3C)] とほぼ同じです。
お勧め
- [直リンクのすすめ(Jakob Nielsen博士のAlertbox)]
Usability の面から見たリンクの有り方について。homepage から目的の page
を探すのが如何に難しいかを示しています。検索サイトや個人サイトからの直リンクを妨害するのではなく、直リンクされることを念頭に置いて
web page 作成にあたるのが最良ではないかと思いました。
用語、特集
- リンクフリー (link-free?):
リンクは自由に張って構いませんよ、という意思表示のことを指します。無断リンクと対照になることが多いです。このような意思表示が無ければ「リンク禁止」というような流れにはなって欲しくありません。私は意図的に「リンクフリー」という言葉は用いていません。私のリンクポリシーは
<Terms of Use> に記載しています。
- ディープリンク (deep link):
他サイトへのリンクでトップ (home) ではない末端の page へ直接リンクする行為のことを指します。デンマーク新聞協会のディープリンクを止める訴えが認められ、話題になっています。
- 直リンク (direct link):
page に対して直接リンクを張るディープリンク (上記で示した <a> タグを用いた通常のリンク等)
の場合と他のサイトにある画像データを取り込む形 (ex. 他のサイトへの img
タグでのリンク) でリンクを張る場合との 2 通りに使用されているようです。
通常のリンクとそうでないリンクとでは切り分けて考えた方がよいでしょう。「直リンク」という言葉自体、誤解される要素を多く含んでいるようです。
- 無断リンク (link without notice):
許諾を求めているサイトに対して許諾無しにリンクする行為を指します。リンクに許諾を求めること自体は自由ですが、許諾を求めずリンクすることは著作権侵害等の法的な理由は、今の所見当たりません。リンクされたことを非難するより、リンクされるのが嫌な
page には password 等を設けて閲覧を制御するなどの工夫をした方が、お互い、良い関係が作れると思うのですが如何でしょうか。
「無断リンク禁止って言っているのに勝手にリンクするなんてマナー違反だっ!」と言うのであれば、若干、同調はします。ただこの場合「無断リンク禁止」と書いても書かなくても、リンクする人はいます。あなたがリンクポリシーを変える前からリンクしている人かもしれません。不用意に人をマナー違反に陥れるかもしれないポリシーも考えものだと、私は思います。
- リンク放題:
リンクフリーよりさらに踏み込んだ宣言らしい。
- アンリンクフリー:
元ネタは [アンリンクフリー宣言(ishinao.net)]。アンリンクフリー「「リンクを外すのはご自由に」という意味」とのこと。この宣言の背景にはリンクを外す自由も与えられていないケースがあるからだそうな。
番外
産経新聞社の記事へのリンク問題
事の発端は、産経新聞社より「見出し記事の引用と無断リンクは著作権侵害」との見解を個人サイトへ
E-Mail したことから始まっています。どうやら産経の関連サイトでは、トップ以外(記事への直接リンク)からリンクを張られてしまうとオンライン広告が表示できない仕組みになっており、それによる「収入減への懸念」が動機のようです。
今回の問題点を挙げると以下の通り。
- 見出し記事の引用は著作権侵害か?
- 個別記事へのリンク(ディープリンク)は違法行為か?
無許可でのリンクは「著作権等の侵害」と訴えています。
[連邦] の管理者が電話を通じて産経新聞社へ問い合わせていたものの、結局の所、ナシの粒で誠意のある返答は得られていないようでした(俗に言う放置プレイ?)。東芝や雪印の時のように後々のフォローが遅れたために傷口が広がってしまったイメージを持ったのですが、大丈夫でしょうか。私個人の中では、かなりイメージ下り気味です。
- [産経新聞法務部:記事への直リンク禁止はあくまで要望(Slashdot.jp)] (03.03.15)
今回の件は担当者の勇み足で決着が付きそうな雰囲気。後は [連邦] の産経との話し合いが気になります。Deep Link についての見解も聞いてくるとのこと。
- [産経新聞社が「無断リンク」に警告(Slashdot.jp)] (03.03.12)
この site のリンク方針は <Terms of Use> の通りです。幸いなことに(?)、私の所には彼の E-Mail は届いていません。一応、産経WEB
(sankei.co.jp)、ZAKZAK(zakzak.co.jp)、サンスポ.com(sanspo.com) にリンクを張っているか確認してみましたが該当
page はありませんでした。
社会通念上、「おはようサンスポネット」の記事にリンクをするのは避けて欲しい、というのであれば納得なのですが
:-P。
ディープリンク問題
発端は、ディープリンクが横行することで自社のコンテンツが奪われる危険性があり、それによる収入減を防ぐ目的が主らしいです。今後、ディープリンクを禁止するサイトが増えてくるのではないかと懸念されています。
この問題を突き詰めると検索エンジンからのリンクもディープリンクであると考えられ、web
の有り方そのものにも波紋を及ぼしかねません。[Google News] は機械的にニュースサイトからリンクを張る仕組みで運営されています。今の所、Google
News のディープリンクが問題になった話は聞いていません。
ハイパーリンク特許訴訟
儀礼的無関心と「リンク上等!」
元ネタは [リンク上等!(ARTIFACT ―人工事実―)] より。
儀礼的無関心を提言している背景には「多くの人に読まれたくないサイトへのリンクの仕方」に問題があるようです。
例えば以下のケース。
- こっそり運営していたサイト(A)
誰も見ていないサイトという前提で、お気軽に運営。
- アクセス数が多く影響力のあるサイト(B) が (A) に対しリンク
面白いネタがあったのでリンク。
- (B) の閲覧者(C) が (A) に押し寄せる
さらに (C) の一人が (A) のネタを匿名掲示板に晒し、さらに (C) が押し寄せる。
- (A) は立ちゆかなくなり結果 page を削除
(C) を意識してか積極的にネタを書くことが出来なくなり、その後、サイトを閉鎖。
このような場合、サイトを紹介した (B) が悪いのか、「祭り」になるまで際限なく晒した
(C) が悪いのか、はたまた net とはそういうものだと自覚のない (A) が悪いのか。このような場合、誰も
(A) を紹介すべきではなかったのでしょうか。
私は、まず (A) の意志を尊重したい。
理由はコンテンツの作成者が少ないから。(A) のようなサイトが (C) を超えることがあれば考え直しますがそれは今後もないでしょう。殆どが「見ているだけ」で終わっているはずです。(A)
のサイトに「無断リンク禁止」等の意思表示があればそれを優先すべきだと考えます。もちろんそのような意思表示をしたとしてもリンクする人はいますし、リンクした人を非難するのもお門違いです。
まずは (A) 自身の意志を明確にする必要があるでしょう。仮に「無断リンク禁止」にするなら単に「無断リンク禁止」と記載するだけに留まらず、何故「無断リンク禁止」としたのか理由を説明し、(B)、(C)
の一人一人に対してを説得を試みることが先決では無いでしょうか。それすら見ない (B)、(C) に対しては現状、諦めるか、技術的に制限を設ける仕組みを組み込む位しか策は無いでしょう。悲しいことですが。
(B) の影響度に対して引き起こされる問題点ですが、私は不問としたい。(B) は、商用ならまだしも、大方個人で運営しているサイトが殆どでしょう。(B)
の影響度に対して何らかの責任を負わすことになればそれこそ (A) の二の舞です。
一部の (C) の傍若無人さによる被害についてですが、これはもうどうしようも無いのでしょうか。(C)
の被害に対して何らかのフォローが入る仕組みがあるとまだ救われるとは思うのですが、、、
「リンク上等!」とは上記の儀礼的無関心の配慮が必要ないことの意思表示らしいです。リンクすらしにくい世の中になったのは、net
に参加しようと考えるビギナー(作成者の卵?)が増えてきたことの証なんでしょうね。
(04.04.03 : 記載)
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