ソフトウェアライセンスの課金問題

マルチコアを Multi-Processor として扱って課金するかどうかについて各ソフトウェアメーカーで方針が違うようです。この page ではマルチコア/デュアルコアに対するソフトウェアライセンスの課金についての問題をまとめています。

ソフトウェアベンダー(多くはサーバー・データベース関連ソフトウェア)では、プロセッサ数でソフトウェアライセンスの価格を決めています。プロセッサ数が増えれば増えるほどライセンス数を増やす必要があり価格が上がる仕組みとなっています。

問題点は以下の通り。

  • 普及度と認知度の問題
    マルチコアをサポートした CPU は、サーバー向け以外にも一般家庭向けの PC にも広く使用されると考えられています。多くの一般ユーザーは、マルチコアによってソフトウェアの価格が変わることを理解することが難しいです。マルチコアの機能を使用しないユーザーにとって、マルチコアは云わば「オマケ」で付いてきた機能で、そんな「オマケ」でソフトウェアの価格が上がると言うのは納得できないでしょう。
    「マルチコアだから買わない」というユーザーも出てくるかもしれません。
  • 機能面でのマルチコア
    Hyper-Threading 機能の立ち上げでもこの問題が浮上しました。しかし Hyper-Threading 機能は、仮想的に複数プロセッサとして認識できるものの、本来の Multi-Processor とパフォーマンスには遠く及ばず、大体 2 割程度の速度アップしか見込まれませんでした。よって多くのソフトウェアベンダーは Hyper-Threading 機能を Multi-Processor として課金することはありませんでした。
    マルチコアの場合、物理的な CPU の中に 2 つの CPU を物理的に組み込んだもので、従来の Multi-Processor とほぼ同等の処理能力を持っています。Multi-Processor と処理能力が同じならマルチコアも Multi-Processor と同じ課金をすべき、と考えるベンダーもあります。

マルチコアに対する課金方法は、現状、以下の3通りです。

  • CPU ソケット単位での課金方法
    マルチコアが理由で課金しないライセンスです。マルチコアによるプロセッサはプロセッサ数に入れません。
    Microsoft 社(一部を除く)が採用しています。
  • マルチコアの場合、減額セール
    マルチコアの場合、コア辺りのライセンス料を減額するライセンスです。
    Oracle 社が採用しています。
  • マルチコアでも Muti-Processor と同等
    デュアルコアの場合、2 CPU としてカウントし、2 CPU 分のライセンス料を必要とするライセンスです。

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Last-modified: 2006.08.14 (月) 07:35:12 (6637d)