VT (Virtualization Technology) †
VT (開発コード:Vanderpool) は、Intel 社が開発しているシステム仮想化技術です。
システム仮想化技術は、Intel 社の他に AMD 社 (AMD-V) も開発を行っています。機能面ではほぼ似通っているのですが命令コードの互換性はありません。システム仮想化技術自体、対応出来る OS/ソフトウェアが少ないために互換性を考える必要性は少ないのではないかとも伝えられています。
- 2 通りの Intel Virtualization Technology
Intel Virtualization Technology には以下の 2 通りの実装があります。
- VT-x (Intel Virtualization Technology for IA-32 Processors)
x86 用の Intel Virtualization Technology。
- VT-i (Intel Virtualization Technology for the Intel Itanium Architecture)
IA-64 用の Intel Virtualization Technology。
- VT によるパフォーマンス効果は 1 割増し程度
日経BYTE '05/12月号に掲載されていた「【LAB Annex】 体感速度が実マシンに迫る 仮想化支援機構VTの効果」の記事によると VMware Workstation 5.5RC2 + VT を有効にした測定システムを使用した場合のパフォーマンスアップは 1 割程度だったとのことです。またベンチマークによっては *1 4 割程度のパフォーマンスアップが見られたそうです。
もう少しパフォーマンスアップを期待していたのですが、まだ VMware はβ版ということもあるので今後に期待しましょう。
ちなみに記事では LT についても触れていて、どうやら VT と共に LT も有効にしないと測定できない PC だったようです。記事では VT の命令が LT と重なるからではないかと推察していました。LT も実は水面下で開発が続けられたんですね。
- VT-d (Intel Virtualization for Directed I/O)
IDF 2006 Springにて公開。VT-d は VT の拡張仕様で、仮想環境下で直接 I/O を叩くのを手助けするための規格のようです。既に仕様書も公開されています。'06 年内出荷予定。また同時に VMware 社との協業も発表しています。
どうも VT-d はチップセット側(north-bridge)がサポートする必要があり、更にPCI Express 対応機器のみのサポートになりそうとのこと。IDF のプレゼン資料から単語を抜き出すと以下の機能を備えているようです。
- Device DMA remapping
- Direct assignment of I/O devices to VMs
- Device-independent control over DMA
関連情報 †
用語 †
特集記事 †
中の人が解説しています。
VT 年表 †
- 06.03.08 : VT-d 発表 (プレス記事)
- 05.11.15 : VT を搭載した Pentium 4「Pentium 4 672/662」発表へ (プレス記事)
- 05.11.02 : VT を搭載した 7000 番台の Xeon processor 発表へ (プレス記事)
- 05.03.02 : VT 正式発表 (プレス記事)
News †
VT-d 発表へ (06.03.08) †