長期運用を目指そう (投資信託/ポイント)

投資信託は、他の資産運用と比較した場合、長期運用での複利効果を得やすい金融商品ではないかと考えています。

半年程度の運用期間であれば、投資信託よりも株式を直接購入した方が手数料が少なくて済み、短期間でのキャピタルゲインにも期待が持てます。纏まった金額を 10 年程度安全に運用するのであれば、投資信託よりも債券を直接購入した方がコストや税金の面で有利でしょう。

投資信託の良さを生かすには、少ない資金を継続的に積み立てることではないかと考えています。

購入時期が重要

株や債券は、購入時期と売却時期の違いで運用益に大きな差が生まれるため、非常に重要です。投資信託でも株と比べれば若干マイルドですが考え方は同じです。

  • 債券の場合
    金利政策により短期金利が上がれば債券の価値は下がり、短期金利が下がれば債券の価値は上がります。
  • 外債の場合
    更に為替に大きく影響されます。場合によっては短期間に 10% 程度為替が変動することもあり、この間に外債を買ってしまうと価値が 10% 変動します。マイナスに考えると 10% 価値が落ちればそれを挽回するのに数年掛かるでしょう。
  • 株の場合
    債券より更に価格変動が激しく、価値が天井の時に購入してしまうと、下落した後に元本を挽回するのにどれほどの年月が掛かるか想像出来ません。よって株を直接売買する場合、損失を拡大させないための「損切り(損した場合の売却時期)」が重要視されます。

投資信託の購入時期を見誤ってしまった場合、例え長期運用でもそれを挽回するのには長い年月が掛かる事に注意しましょう。とはいえ、資産の購入時期は資産運用の奥義でもあり、正直、何時に購入するのが正しいのか、誰も確実な判断はできません。

確実な判断が出来るとすれば、その人は「占い師」でしょう。判断基準が占いなのだから、責任の拠り所は「神」なのでしょう。

長期運用とドル・コスト平均法

ドル・コスト平均法は、機械的に決められた日時に一定額を平均的に購入する手法です。

市場動向が判断できないのであれば、少しずつ資金を資産に移していく方法がお勧めです。購入時期を見誤った場合でも損害は少なくて済みますし、絶好の購入時期(得てして結果論になりやすい)を逃すことなく一定金額で購入することが可能です。逆に考えると、絶好の購入時期に少額しか投資できないことになりますので、機会損失と言えなくもないです。

販売会社によっては「積み立てサービス」としてドル・コスト平均法をサポートしている場合があります。興味があれば是非活用してみては如何でしょうか。

  • スローな投資 (野村アセットマネジメント)
    長期運用の勧め。時間を分散して投資していくことでリスクの分散を図っています。
  • 積立て投資ゲーム『うさぎとかめ』 (野村證券)
    ルールに問題があるような気がするのですが、ナカナカかめさんに勝てません。あれでは結果に対してだけの投資戦略なので投機に近いものを感じるのは気のせいでしょうか。
    為替なら分かるけど株ではもう少しマシな闘いは出来ると思いますよ。

長期運用と投資信託の活用

フィデリティのマネージャのアドバイスが興味深かったのでメモしておきます。

スタート地点さえ間違えなければ、投資信託による長期運用は有用なんですよ、という切り口。要点は以下の通り。

  • 投資信託は仕方が無く購入する金融商品
    「儲けたいから買う」金融商品であるならば個別株、ミニ株、カバードワラント、ETF の方が投資信託より値動き、コストの面で有利である、とのっけから凄い。フィデリティは、リスクを負ってでもおカネを減らさないために仕方なく利用してもらいたい、とも。
    確かにその通りだと思いますが、有名な運用会社の中の人が随分ストレートな意見だったので驚きました。
  • スタートラインを間違えると長期運用でも無意味
    1993年4月〜2003年4月(所謂バブル期)までの 10 年間を日経平均で運用した場合、-64%になるという数値がありました。この数値より長期運用でも投資するタイミングが重要であることを説明しています。
  • スタートラインさえ間違わなければ長期運用は大体報われる
    保有年数が増えることによって運用のブレ幅はプラス面に向かうことが多いことを説明しています。「長期投資とは、リスクを減らすのではなく、大きなリターンを得るチャンスを増やすもの」と結論付けています。
    スタートライン(と手仕舞い)の見極めは投資の真髄であるので判断は難しいのではないかと思います。中の人は説明していませんでしたが、スタートラインを大きく間違えないためにはドル・コスト法による積み立てが有用のように感じます。
    積み立てが出来ることが投資信託の強みですし。
  • 長期運用の秘訣は「忘れること」
    長期運用中は、特にプラス面に働いた時に利益を確定しまう欲望に駆られることが多くなるが、そんな小さな漢になるな、と。流石に中の人らしく「忘れるに値する企業の選別と継続的なチェックを他人に任せ、本人はその"箱"をじっくり保有する」のが投資信託の利用法なんだと纏めています。なるほどね。
    日経平均が 25000円を越える場合を想像しろ、とあるがその頃は相当なインフレで稼ぐ能力の低いご老体には厳しいんだろうな、と趣旨とは異なった想像をしてしまいました。

長期運用はリスクにもなる

長期運用の長所・短所について纏まっていたのでメモ。

常に長期運用が有用であることは有り得ず、特に投機の場合、長期運用はリスクが拡大する危険性が高いとしています。要点は以下の通り。

  • 「長期運用でリスクが縮小するというのは嘘」
    長期運用によるリターンでリスクが縮小すると言う考えは間違っている、と。リターンの前後の相関関係は無い(今プラスでも今後プラスであり続ける保障は無い)ので、この場合の長期運用はプラスにもマイナスにも働かないとしています。
  • 「投資」は時間の経過による追加的なリターンが期待できる運用方法
    妥当な価格での投資ならば、リスク負担に対しての時間の経過による追加的リターンが期待出来、徐々に資産を増やせる可能性がある。
  • 「投機」はリスクに対して追加的リターンが見込めない運用方法
    追加的リターンが見込めないので長期運用による利点は少ない。長期にわたってリスクを背負うことになるので、リスクが増大すると考えてもよいかもしれない。
  • 「投資」と「投機」の判断が重要
    一概に株で運用しているから「投資」であるとは言えない。『投資した理由が利益に参加する「投資」』であるのか『チャンスに賭ける「投機」』を判断し、リスクに対しての運用を意識する必要がある、としています。

山崎元さんはどちらかと言うと凹む投資アドバイスが多いのですが、これも資産を目減りさせないためのアドバイスなので参考にすべきことが多いです。書籍も多く出版しているので立ち読みしてみては如何でしょうか。


Last-modified: 2007.06.02 (土) 18:14:06 (3762d)