長期放置プレイ型 (投資信託/ポイント/コース別)

長期放置プレイ型は、年平均 3〜5% の運用益を目指しつつ、こまめに投資信託の運用状況や市場動向を把握しなくてもソコソコ大丈夫な運用方法です。

'06/09 現在、やはり日本債券の扱いが難しいですね。ようやく世界に類を見ない政策であったゼロ金利政策が解除された現在でも運用益は大体 0.1〜0.2% 程度。MRF にも負けている状況です。自分でバランスを取ることを放棄しているだけに、日本債券の安定運用は必要とは思うのですが、なにせ運用効率が低すぎるのが難ですね。

運用方針

おおまかな運用方針としては、バランス型投資信託への投資のみの運用を考えています。

この方針の利点は、資産運用で一番重要である買い時と売り時に縛られることが少なく、どの時点で購入しても大きな失敗は少ないことだと考えます。また、状況に応じて資産配分を変更(スイッチング)出来る投資信託も多いので、投資家の資産運用方針に合わせた運用も可能です。

資産配分が気に入らない場合は、一番近い運用のバランス型投資信託を購入し、足りない分をインデックス型投資信託で補うと良いでしょう。

  • バランス型投資信託
    バランス型投資信託は、株・債券・REIT 等の複数の資産をバランスよく組み合わせることで平均的な運用を目指している投資信託です。複数の資産を一定の比率を守る運用(リバランス)を投資家に代わって行うので、長期放置プレイ型にマッチしていると考えています。
  • 資産分配による運用
    資産分配(アセットアロケーション)は、複数の資産をバランス通りに運用することで各資産の持っているリスク(と利益)を分散させる効果があります。年金や保険等の資産運用で行われている運用方法でもあります。
    例えば株が大きな利益をもたらした場合、その運用益を他の債券や REIT に振り分けることで資産運用の均等化を図ります。逆も然りで、株が大きな損失を出した場合、その運用損益を他の債券や REIT から補い、資産運用の均等化を図ります。
  • 平均的な運用益を続けることによる複利効果
    バランス型投資信託の利点は、一つの資産で大きな利益を得ることは出来ないものの、複数の資産をバランスよく配分することで総合的に小さな利益を積み重ねることが出来ます。小さな利益を長期に渡って続けることで投資信託の利点である複利効果を狙うことを目的としています。
    例えば年平均 5% の運用益を続けることが出来れば 10 年後には資産を 1.6 倍程度まで増やすことが可能です。
  • 積極的なドル・コスト平均法の活用
    少額でも積み立てられる投資信託の利点を生かし月々に投資信託への積み立てを行うことで、更なるリスク分散と複利効果を得られやすくなります。
    銀行や証券会社では、投資信託の月々の積み立てサービスを行っている所が多いです。是非、活用しましょう。

選択基準

長期放置プレイ型に向いたバランス型投資信託を選択する基準は以下の通り。

  • 信託報酬は少なめなのを選択する事
    長期運用では年間に支払う信託報酬が運用に大きく関わります。バランス型投資信託の場合、大体 1.2〜1.5% 程度の信託報酬が一般的のようですが、出来ることなら 1.0% 以下の投資信託の購入を検討したい所です。
  • 「ファンド・オブ・ファンズ」のコストに注意!
    最近、販売会社や運用会社が勧めている「ファンド・オブ・ファンズ」は、仕組み上、 ファミリーファンド型のバランス型投資信託より信託報酬が高く設定されているので注意が必要です。ファミリーファンド型の投資信託の場合、組み合わせのマザーファンドの信託報酬は必要ありませんが「ファンド・オブ・ファンズ」の場合、自分自身の信託報酬と組み合わせている投資信託の信託報酬の2つを支払う必要がありますので一般的にコスト高になります。目論見書で確認してください*1
    良心的ではない販売資料の場合、全体での信託報酬ではなく単体での信託報酬しか載せていないことがあるようです。そのような場合でも目論見書には全体の信託報酬が記載されているので確認してみてください。例えば野村のファンド・オブ・ファンズシリーズである「マイストーリー(じっくり楽しむ分配型コース)」自身の信託報酬は年 0.798 %ですが、マイストーリーが組み合わせている投資信託の信託報酬を総合すると「年 1.55 %± 0.15 %程度」になります。
  • 分配金は少なめなのを選択する事
    分配金を出さない投資信託の方が複利効果を得やすいです。分配金(普通分配金)を受け取ると分配金から税金が引かれます。引かれた税金分だけ運用効率が減ってしまうので分配金はなるべく出さない投資信託をお勧めします。分配金を再投資するルイトウ(累積投資)を選んだ場合でも、手数料は無料でも税金は引かれます。
    ただし最近のバランス型投資信託の傾向としては毎月分配型に人気が集まっているようなので、分配金を出さない投資信託を探すのは難しいかもしれません。分配金を出すとしてもせめて少なめな投資信託をお勧めします。
  • リスクに応じた資産配分
    一般的に株はリスクが高い分運用益も高く、債券はリスクが低い分運用益も低めです。投資家自身の生活状況の変化によって、受けるリスクも変化させる必要があります。例えば給与収入が見込める若いうちならリスクを高めに取っても働くことで挽回できますが、老後の資金での運用の場合、受けたリスクを挽回する機会は殆どありませんので、出来るだけリスクの低い運用を目指した方が良いでしょう。
    多くのバランス型投資信託の場合、資産配分のバランスを変更するための「スイッチング」が用意されています。ただしスイッチングの場合、手数料は無償ですが、信託財産留保額や運用益に対する税金は支払う必要があるので、人生の転機に利用するのが望ましいでしょう。
  • 長期放置プレイ型の目標とする資産配分
    年平均 3〜5% の運用益を高い確率で得るためには、株や外国債券の比率を低めに抑える必要があります。長期放置プレイ型のアセットアロケーションとしては日本株・外国株・日本債・外債の比率が 25% 程度になるのが理想でしょう。為替リスクを嫌うのであれば日本株・日本債の比率を多めに見積もります。為替リスクは放置できるほど小さなリスクではありません。
    リスクを受けずに運用するのなら債券を多めに、リスクをある程度負っても運用益を狙うのなら株の比率を上げると良いでしょう。

投資信託リスト

選考基準は以下の通り。

  • 5 年以上の運用実績 (優先度:★★★)
    運用実績の長さにより長期間に渡って安定した運用が行えているかが判断できます。
  • 1.0% 以下の信託報酬 (優先度:★★★)
    信託報酬が少ない投資信託を優先します。インデックス型投資信託による組み合わせのバランス型投資信託の場合、信託報酬で運用に差が出るようです。
  • 無期限の信託期間 (優先度:★★★)
    長期運用を目指すことより信託期間は無期限である投資信託を優先します。確定拠出年金として採用されている場合、金融商品の性格上、殆どが無期限です。
  • 分配金の支払い状況 (優先度:★★)
    分配金が少ない投資信託を優先します(毎月分配より毎年分配、1000円分配より100円分配)。
  • 確定拠出年金としての実績有り (優先度:★)
    確定拠出年金としても採用されている場合、償還リスクが少ない投資信託として優先します。また確定拠出年金として適格として扱われている投資信託は、通常の運用でも良好な成績を保っていることが多いです。
    確定拠出年金の方が信託報酬がかなり低くなっているのを見ると非常に羨ましいです。
  • スイッチングによるバランス変更が可能 (優先度:★)
    スイッチングがある投資信託を優先します。
  • 日本株・外国債券・外国株による運用 (優先度:★)
    日本国内以外の資産に対しても運用を行っている投資信託を優先します。

上記の基準を満たしているバランス型投資信託はかなり少ないです。「5 年以上の運用実績」を外しても、最近のバランス型投資信託の信託報酬は高めに設定されているのが殆どです。

すみしん マイセレクション (住信アセットマネジメント)

信託報酬が 0.535%〜0.695% と格安で確定拠出年金としての実績有り。確定拠出年金にマイセレクションがあれば真っ先にお勧めしています。現在、住友信託銀行のみ販売しているとのことですが、どうも販売リストから外れてしまったようです。もしそうだとすると一般では購入できない幻の投資信託となってしまうことになります。

(06.09.26:更新) 問い合わせた結果、インターネット経由による販売は行っていないものの電話・窓口による販売はまだ行っているとの事。住友信託銀行の裏メニュー的存在の投資信託のようです。確定拠出年金ではかなり有名なんですけどね*2

(07.06.11:更新) 投信SCでも取扱を始めたようです。

アセット・ナビゲーション・ファンド (日興アセットマネジメント)

信託報酬が 0.541%〜0.768% と格安で確定拠出年金としての実績有り。有名所でマネックス証券で販売されています。

バランスセレクト (野村アセットマネジメント)

信託報酬が 0.58%〜0.72% と格安で確定拠出年金としての実績有り。販売会社が少ないのが欠点。

三菱UFJ ライフセレクトファンド (三菱UFJ投信)

信託報酬が 0.68%〜0.8% と格安。販売会社が少ないのが欠点。

長期運用に向いていないバランス型投資信託リスト

人気のあるバランス型投資信託(純資産が多い)を中心に検討してみた結果を並べてみました。

  • 財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型 (日興アセットマネジメント)
    モーニングスター:02312038
    '06/09 現在、純資産 1 兆円越えの人気投資信託。信託報酬は 0.958% と意外と格安。ファンドオブファンズなのは J-REIT のみのようです。バランスとしては J-REIT(東証REIT指数を参照) 25%、TOPIX 25%、外債インデックス 50% と今時の組み合わせ。
    非採用理由としては「外債に頼りすぎているために為替リスクを受けやすいこと」「毎月分配型で 60 円とかなり高い分配金を捻出していること」「運用実績が浅いこと」です。
  • マイストーリー分配型(年6回)Bコース (野村アセットマネジメント)
    モーニングスター:01312055
    '06/09 現在、純資産 8900億円の人気投資信託。野村證券でしか扱っていないのにかなり売り上げているようです。バランスとしては株式が 25% 程度、外債が 75%(30%〜45%はハイイールド債券・エマージング債券)と今時の組み合わせ。
    非採用理由としては「信託報酬が年1.55%±0.15%程度と高いこと」「外債に頼りすぎているために為替リスクを受けやすいこと」「信用の低い外債を多く組み入れていること」「年6回の分配金が高めであること」「運用実績が浅いこと」です。
    長期運用には向いていません。
  • GW7つの卵 (日興アセットマネジメント)
    モーニングスター:02311032
    '06/09 現在、純資産 6100億円の人気投資信託。バランスとしては日本株が 33%、日本債券が 17%、海外株が 32%、海外債券が 18% と株に対しての配分が 65% 程度と配分が多めだが悪くはない。
    非採用理由としては「信託報酬が1.89%と高いこと」「分配金が高めであること」です。
  • 残高ランキング (モーニングスター)
    モーニングスターが公開している純資産の順位リストを利用しています。

*1 ファンド・オブ・ファンズとファミリーファンド型との同一視、イクナイ!
*2 確定拠出年金の場合の信託報酬は 0.265%〜0.325% と他の追従を許していない状況です

Last-modified: 2007.06.11 (月) 01:05:54 (3814d)