長期運用のための銘柄選びのコツ (投資信託/ポイント)

経験の浅い私が言うのもなんですが、思いつくまま長期運用のコツを記載してみました。

記載内容は随時変更する可能性が高いです =)。

信託報酬が少ないこと (重要度:★★★)

確実に損をし続けることが保障されているのが信託報酬です。信託報酬は、運用がうまく行っている時でも不利に働いている時でも確実に徴収されます。投資信託で確実に損をしないためのコツは、信託報酬が少ない投資信託を選ぶことが第一に挙げられます。

信託報酬は、販売会社・運用会社・受託会社の山分けになります。高い信託報酬の内訳を見ると多くの場合、販売会社の取り分が多いようです。積極的に資産運用に携わることが殆ど無い筈の販売会社が多くの信託報酬を得ることについて納得が行きません。販売会社はあなたの資産を守ることを第一に考えていない可能性が高いことに気をつけて置いた方が良いでしょう。

インデックス型投資信託の場合、信託報酬よりもトラッキングエラーの方を重視した方が良いかもしれません。信託報酬が少なくてもトラッキングエラーを多く生じているようではインデックス型を選択した意味がありません。もちろん高い信託報酬がためにトラッキングエラーを生じている可能性も否定できませんが、今まで見てきた感じですとトラッキングエラーと信託報酬は関連性が低いように見えます。

運用する資産によって信託報酬も異なりますが、長期運用では 1.2% より高い場合には信託報酬の高さをリスクとして考えた方が良いかもしれません。

手数料が少ないこと (重要度:★★)

手数料が 3% を超えるようだと購入にはかなり慎重になった方がよいでしょう。3% を上回る運用益を出すにはそれなりの年月とリスクを必要とします。

信託財産留保額も少ないに越したことはありませんが、手数料ほどでありません。信託財産留保額の本来の意味合いは、長期運用者を保護するための措置なので、長期運用者には有利に働く可能性が高いです。

積み立てが出来ること (重要度:★★)

積み立てが確実に良い運用であり続けるかどうかについては、是非があると思います。

今までの経験上から言うと、一時期に大量に資産を取得する場合(ナンピン全力投球)、取得後の価格変動リスクがかなり高くなります。価格が激しく変化する場合、場合によっては復帰するのにずいぶん時間が掛かる可能性があります。価格変動リスクを避けるには、時期を分けて少しずつ資産を取得した方が確実かもしれません。積み立ては機械的に資産の取得を行うため、平均的な資産取得が確実に行えます。逆に言うと絶好の時期を逃す確率も高いのですが、それは長期運用の資産とは別に運用した方が良いかもしれません。

長期運用の場合、始めから頭と尻尾は諦めた方が良いでしょう。

運用期間が長いこと (重要度:★★)

運用期間の長さはその投資信託の寿命に比例します。生まれたばかりの投資信託の場合、運用状況が把握できず今後の運用について検討するネタが少ないです。過去の運用がそのまま未来の運用に繋がるわけではありませんが、過去に於いて大きなミスマッチを起こしていないかどうかの確認程度は可能です。過去のベストヒットの可能性とミスマッチの可能性を比較すると、未来に於いてはミスマッチを起こす可能性の方が高いようです。

運用期間が長いということは投資信託の強制償還によるリスクも少ないと考えます。マザーファンドが確定拠出年金で運用されている場合も強制償還が行われにくいはずです。

運用が始まったばかりの投資信託には注意が必要

逆に運用が始まったばかりの第一期や第二期等の投資信託の場合、長期運用中の投資信託と比べると、資産の売買コストが高い場合が多いようです。既に運用が始まっているファンド・オブ・ファンズやファミリーファンド方式の場合は、それほどでもない場合もあるのですが新規に資産を組入れる場合、安定するまで資産を多量に売買を繰り返す必要があるようです。

売買コストは、信託報酬と同じく全て投資家の資本金から賄われます。

ベンチマークを採用していること (重要度:★★)

ベンチマークを採用している場合、ベンチマークを逸脱した運用は行われないことが多いようです。

ともするとベンチマークに引きずられた運用になりがちですが、ベンチマークをはるかに下回る運用というのはあまりありません。ベンチマークは市場の平均値とも言えるもので、平均値に影響されない運用というのは相当変わった運用であるとも言えます。このような投資信託の場合、予定していない落とし穴に陥る場合があり、一度陥ると復帰するのにずいぶん時間を要することも珍しくないようです。

長期運用にとっては不安材料になる可能性が高いです。

騰落率よりベンチマークとの比較を重視すること (重要度:★)

全体的に市場が上向きの場合、投資信託も上向きになります。騰落率での比較の場合、市場状況によってどの程度運用できていたのかが分かりにくいです。上向きで高運用なのは当たり前で、長期運用の場合、下向きの状態の比較が重要と考えます。

過去、下向きの状態でベンチマーク以下の運用しか出来ていない投資信託の場合、未来において上向きになっても下向きを跳ね返すほどの高運用になる可能性は低いようです。過去、どんな市場状況でもベンチマークより少し上の運用が出来ている投資信託の場合、未来においてもベンチマークより少し上の運用が出来ている可能性が高いようです。少なくともベンチマークを下回ることは少ないように感じます。

テーマ型は避けること (重要度:★)

テーマ型は私の好物でもあります =)。テーマ型と言うのは、業種別や先物や新興国等の投資信託を指します。

テーマ型は理解しやすく状況が良いときはすごく状況が良い状態が続くことが多いです。よって状況が悪いときはすごく状況が悪くなる状態が続きますのでリスクは非常に高いと思ったほうが良いでしょう。テーマ型は手数料や信託報酬が高めに設定されているものが多いのでこれも長期運用には向いていない要因の一つです。

長期運用のメインにするのではなく、1〜2年程度の短期を目処に検討するのであれば面白い分野だと思うので、拒絶をする必要は無いと思います。

銘柄数は多めなのを選択すること (重要度:★)

株・債券の銘柄数は多い方が長期運用向けと言えます。日本株なら最低でも 80-100 銘柄以上は常に保持して欲しい所です。

例えば、何らかの理由で上場廃止になる銘柄が組み込まれていた場合、その銘柄の株価は暴落します。銘柄数が少ない場合、その銘柄に対しての比率も高くなっている場合が殆どですので、下落率も高くなります。逆も真で何らかの理由でその銘柄が暴騰した場合の上昇率は高くなります。

銘柄の少なさはハイリスク・ハイリターンになりやすく、長期運用向けとは言えません。たった一度の運用の大きな失敗が後々まで運用にまで影響を及ぼしかねないからです。

インデックス型投資信託の場合、銘柄数が少ないことは稀ですが対象となる指数によっては銘柄数が少ない場合もあります。指数自体がハイリスク・ハイリターンという場合も有るので一応確認した方が良いかもしれません。

銘柄数は「目論見書」「運用報告書」「運用レポート」等に記載されています。

売買高比率(売買回転率)が高すぎないこと (重要度:★)

売買高比率は低い方が長期運用としては望ましいです。売買高比率が 2.0 を越える運用の場合、売買に伴うリスクを懸念した方が良いかもしれません。

積極的に資産を売買することでキャピタルゲインを狙う投資信託もあります。正に投資信託っぽく、ファンドマネージャの腕の見せ所になるのかもしれません。ただし、長期運用を考えた場合、積極的な売買はそれなりのリスクとコストを背負うことになります。

コストの目安として大体、売買高比率が 2.0 に対し年間の売買コストは 0.1% 増加します(日本株の場合)。投資信託の中には 4.0-6.0 程度の売買高比率があります。その場合、信託報酬以外にも 0.3-0.5% 程度の数値に表れにくいコストが発生していることに注意した方が良いかもしれません。

目論見書・運用報告書・レポートが入手しやすいこと (重要度:★)

投資信託が公開している情報として「目論見書」、「運用報告書」、「運用レポート」の3つがあります。

私が特に重要視しているのは運用報告書です。過去の運用状況が法律に則った形式で作成されているので、他の投資信託との比較が容易です。特に経費、運用状況、運用方針は他の書類で読み取ることが出来ない情報なので重宝します。残念ながら運用報告書は、既に投資信託を購入した受益者のために作成した文章なので、運用会社によっては運用報告書を公開していない場合があります。

ブル・ベア型は長期運用に向かない (重要度:★)

ブル・ベア型は、相場がもみ合うような変動の激しい状況では投資効率が悪いとされています。

相場がもみ合った場合でも、インデックス型投資信託の場合、変動率に沿った運用が行われます。ブル・ベア型の場合は、日々の変動率に対してレバレッジを効かせるために相場がもみ合うと投資効率が落ちます。

長期運用の場合、相場がもみ合うことはよくあることなのでブル・ベア型は長期運用に向かないとされています。

(例:相場が +10% → +20% → -10% → -20% と変化した場合)

  • インデックス型投資信託の場合:「100 → 110 → 132 → 118.8 → 95.04
  • ブル型投資信託(レバレッジ2倍)の場合:「100 → 120 → 168 → 134.4 → 80.64

新設した投資信託は避けること (重要度:★)

新設した投資信託には以下の欠点があります。

  • 今までの運用状況が把握出来ない
    新設してから間もない投資信託なのですから運用状況が把握できないのは仕方の無い所なのかもしれません。私は運用状況やファンドマネージャーのコメントが聞けない状況で投資信託を検討するのはリスクが高いと判断しています。
  • 売買コストが比較的高めになることによるコスト高
    新設当初は、投資家を呼び寄せるために販売会社や運用会社が宣伝を行います。それにより人気が集まり、純資産が飛躍的に伸びる時期でもあります。純資産が増えると言うことは、増えた分だけ資金を株や債券等の資産に替える量が増えます。資金を資産に交換するためのコストは全て投資家が負う事になります。
    つまり信託報酬の他に売買コストも支払う必要性が高い時期でもあるのです。購入に有利な時期とはいえません。
  • 不人気による償還リスク
    新設してから間もない投資信託の場合、当然、純資産は少ないです。純資産が少ない状況が続いた場合、運用会社は強制的に償還することが出来ます。折角、手数料を支払ってリスクを負って購入した投資信託なのに手数料すら越えられない運用状況で償還されてしまうこともあり得るのです。こうなってはまさに「泣きっ面に蜂」です。

最近、新設される投資信託の多くは信託報酬が高めに設定されていることにも注意した方が良いでしょう。


Last-modified: 2006.09.21 (木) 00:12:01 (4022d)