バランス型投資信託


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バランス型投資信託は、株・債券・REIT 等の複数の資産をバランス良く分散投資を行う投資信託です。

バランス型投資信託は、複数の資産を決められた資産配分に基づいて運用を行います(ポートフォリオ理論)。ポートフォリオ理論に基づいた運用が一つの投資信託で賄える反面、他の投資信託と比べコスト高である場合が多いので注意が必要です。

特徴としては以下の通り。

  • 分散投資
    バランス型投資信託は、複数の資産(株・債券・REIT等)に対して投資します(分散投資)。
    組み入れられる資産の基本は、日本株・日本債券・外国株・外国債券の組み合わせですが、最近では株や債券に連動しにくいREITや運用益の高い新興国の資産等を組み入れている投資信託も増えています。一つの資産に対して投資する場合と比べ、以下の利点があります。
    • 株のみで運用した場合
      株のみで運用した場合、運用の出来不出来が激しく長期間にわたって安定した複利効果を得ることは難しいと言えます。
      投資家の行動として株が不調になると、株を売って安定運用が望める債券を買う行動に出やすいです。債券に人気が集まれば、債券の価値が上がります。
    • 債券のみで運用した場合
      債券のみで運用した場合、一定の決められた期間では安定した運用益が期待できますが、その分、大きな運用益には繋がりません。
      投資家の行動として株が好調になると、債券を売って更なる運用益を目指して株を買う行動に出やすいです。株に人気が集まれば、株の価値が上がります。
    • 株と債券をバランス良く運用した場合
      株と債券をバランス良く運用した場合、株の調子が悪いときには債券から切り崩す形でバランスを取り、株の調子の良いときは、運用益を債券へ切り崩すことでバランスを取ります。バランスを保つことで長期間にわたって安定した複利効果を得ることが期待できます。
  • リバランス
    リバランスは、組み入れられている資産の配分を一定に保つための作業で、長期運用に於いては必要不可欠な作業です。
    長期間、資産を運用していると次第に決められた資産配分が崩れていきます。資産配分が崩れた状態で運用を続けるとポートフォリオ理論から得られる複利効果が半減してしまいます。
    バランス型投資信託は、決められた資産配分を保つための作業であるリバランスを自動的に行います。リバランスの度に資産を切り崩すことはせず、投資家からの資金の流入のタイミングでバランスを取ることが多いようです。
  • コスト高
    殆どのバランス型投資信託は、販売手数料と信託報酬等の運用コストが高いです。
    信託報酬が 1.0% を超えるようであれば、コスト高な投資信託であると考えてよいでしょう。現状では、コストの安いバランス型投資信託を見つけるのは至難の業です。投資家の中には、株や債券でコストの安い投資信託を個別に購入し、自分でリバランスを行うことで運用コストを減らす運用を行っている方もいます。
  • 「ファンド・オブ・ファンズ(FoF)」と「ファミリーファンド方式」
    バランス型投資信託は、「ファンド・オブ・ファンズ(FoF)」と「ファミリーファンド方式」という運用方式があります。
    FoF は、仕組み上「ファミリーファンド方式」と比べコストが高くなる場合があることに気をつけてください。投資信託の販促資料には投資信託全体に掛かるコストが記載されていない場合があります。そのような場合でも目論見書には必ず全体のコストが記載されているはずなのでよく確認することをお勧めします。
  • 401k(確定拠出年金)
    401k で運用しているバランス型投資信託は、コストが安く資産配分もリスクがかなり抑えられていて良質なものが多いと感じています。401k という都合上、長期運用に向いているのは当然と言えば当然かもしれません。
    まれに 401k で運用しているバランス投資信託も一般の販売会社から購入できることがあります。

投資信託の仕組みを知っている方の場合、コスト高を理由にバランス型投資信託を毛嫌いする傾向があるようです。実際、最近の投資信託は、高いリターンの得る代わりにリスクとコストが高く設定されていることが多く、長期運用には向かないものが多いようです。 そのため、比較的コストの安いインデックス型投資信託を資産別(株・債券・REIT)に購入し、投資家自らリバランスを行うことでポートフォリオ理論に基づいた運用を行う方もいます。

とはいえ、リバランスはあまり楽しい作業ではありません。運用益の出ていない資産に対して追加投資を行うという作業は意外と苦痛です。場合によっては運用益の出ている資産を切り崩してまでリバランスする必要が出てくるかもしれません。その点、機械的にリバランスしてくれるバランス型投資信託は、ポートフォリオ理論の実践という意味で合理的な手法ではないかと考えています。

関連情報

  • 定食とアラカルト <資産設計への道> (マネックス証券, 06.09.29)
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Last-modified: 2010.05.04 (火) 23:03:50 (5197d)