投資信託の分配金


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分配金(収益分配金)は、決算時に運用している投資信託が支払うおカネのことを指します。

勘違いをされている投資家*1がいるようですが、分配金の出所は運用中の純資産から差し引かれているだけなのに注意してください。言わば分配金は、投資家の資産を定期的に「損切り」をしてくれるサービスであって、預金の「利息」や株の「配当金」や債券の「利金」とは性格が異なることに気をつける必要があります。

投資信託の宣伝文句を見ると分配金に目が行きがちですが、実際の運用実績とは程遠いことが多いです。分配金だけに拘るのではなく、個々の投資手段が持つリスクや運用実績等を加味した上で、自らのライフスタイルにあった運用を心がけたい所です。

特徴としては以下の通り。

分配金の扱いは投資信託によって様々

投資先の性格によって分配金の扱いが異なることが多いようです。例を挙げると以下の通り。

  • 毎月分配型
    毎月分配型は、分配金を一定金額、支払う運用方針です。
    最近では年金受託者をターゲットとした奇数月毎に分配金が支払われる投資信託も多く開発されています。最近開発される投資信託の殆どは毎月分配型で、投資家にも人気のようです。
    このスタイルで最も成功したのはグロソブ(グローバル・ソブリン・オープン)でしょう。この投資信託の純資産は 5 兆円を越える、世界に稀に見る規模の投資信託に成長しています。
    分配金を積極的に支払う運用方針の場合、支払った分配金の分だけ純資産を削ることになりますので、投資信託全体の運用からしてみると複利効果が得られにくい運用方針と言えます。分配金を再投資する運用もありますが、分配金が支払われた時点で運用益に対して税金が引かれることに注意してください。運用中に税金の前倒しが行われると運用効率が落ちます。
    毎月分配型は長期運用による資産形成には不向きなのに注意してください。
  • 大量放出型
    大量放出型は、年1回の決算で分配金を大量に出す運用方針です。
    新興国への株投資等のハイリスク・ハイリターンである運用を行っている投資信託に多いです。利益確定という面での分配金としては有用っぽいですが、毎月分配型と同じく福利効果が得られにくい運用方針であることに変わりありません。
    運用会社が分かりやすい運用実績として広告に使いたいだけ、という説も =)。
  • 無分配型
    無分配型は、決算に分配金を出さない、出したとしても少額しか出さない運用方針です。分配金を出さないことで資産の全てを運用に回すことが出来ます。投資信託の利点である長期運用による複利効果が最も得やすい運用方針です。
    インデックス型投資信託や 401k でも平行して運用されているインデックス運用のバランス型投資信託に多いようです。

「一般型」と「るいとう型」

配当金の扱い方として「一般型」と「るいとう型」があります。販売会社によっては「るいとう型」が用意されていない場合があります。

  • 一般型
    配当金が出た場合、運用益から税を引いた後、出金します。自分で定期的に利益確定をするのが面倒な場合や生活費の一部として運用したいのであれば一般型になるのかもしれません。無分配型の場合、るいとう型と差はありません。
  • るいとう*2
    配当金が出た場合、分配金から運用益から税を引いた後、再投資します。再投資の場合、手数料は掛からないのが一般的です。長期運用の複利効果を狙うなら「るいとう型」にしておいた方が無難です。

「普通分配金」と「特別分配金」

分配金の種類には運用実績に応じて「普通分配金」と「特別分配金」の分配金があります。

  • 普通分配金
    普通分配金は、課税対象となる分配金のことです。
    分配金から運用益が出た場合、運用益から税金が差し引かれて配分されます。外国投資信託の場合、申告を行わないと2重課税になることもあるようです。税の払いすぎに注意が必要かもしれません。
  • 特別分配金
    特別分配金は、課税対象とならない分配金のことです。
    運用益ではない分配金の場合、つまり元本から削り取られた分配金に対しては課税対象となりません。課税対象とならないのは嬉しいのですが、特別分配金が続くとそれは運用益が出ていないということで、つまりはマイナス運用です。

運用面では分配金は不要(複利効果の差)

複利効果を最大限利用する場合、出来るだけ分配金を出さないことが望ましいです。

分配金は、支払いの度に運用益から税金が引かれます。再投資を行った場合でも税金が引かれた後なので効率は悪いと言わざるを得ないです。10年程度の長期運用を考えている場合、配当金は極力出さない投資信託を選んだ方が良いかもしれません。

公的年金の補助としての分配金(タコハイの是非)

分配金を老後の生活費の補助代わりに利用するという考えもあるようです。

例えば野村のマイストーリーは、偶数月に公的年金の支払いがあるらしく奇数月に分配金を払うことで生活の補助としての用途を考えているようです。またグロソブも「生活費の補助」という側面を理解していて、例え元本割れを起こしたとしても定期的に支払う分配金を減らす措置は積極的に行わないとしているようです。

ちなみに元本割れでも配当することを俗に「タコハイ*3」というそうです。

少なくとも定期的な分配金を出す商品にニーズがあるのは(自分の投資に相応しいかは別にしても)確かのようです。

関連情報

  • 毎月分配について (投資信託@2ちゃんねる)
    2ちゃんねるの大方の見方は毎月分配(というより分配金そのもの)に対して否定的のようです。穿った見方をすればマイナス運用の場合が続いたとしてもマイナスへの複利効果が生じにくいとむりやり前向きに考えてみる。
    長期間、損を続けるファンドを長期間持つ意味って、、、ないよなぁ。

上記の web は閉鎖してしまったようで閲覧できない状況になっています。良く出来た資料なので以下に「毎月分配について」を引用しておきます。

毎月分配について
   │
   ├─投資効率が落ちるよ(否定・資産最大化派)
   │   ├─毎月税金払うと損するよ(理論武装派)
   │   ├─利確なら自分でやれよ(独立独歩派)
   │   ├─詐欺だよ許せないよ(義憤純情派)
   │   └─銀行員に載せられますた(過ち反省派)
   │
   ├─リスク開示してるならいいよ(中立・自己責任推奨派)
   │
   └─毎月分配も悪くないよ(肯定派)
       ├─お年寄りには向いてるかもよ(安心購入派)
       ├─グロソブの資産は世界一ィィ(売れ筋最強派)
       ├─天井なんて分かんないから毎月利確でいいよ(サービス前向き利用派)
       ├─毎月分配ってチョー気持E(幸福最大化派)
       ├─毎月分配が人のこころにやさしくフィットする(心の問題すりかえ派)
       ├─低い基準価額の時に買った俺は勝ち組(論点勘違い派)
       └─この方が投資効率がいいよ(根本的勉強不足派) 

#ちなみに銀行のネー様は「幸福最大化派」を推奨していました。まさに「朝三暮四」。

特集記事

投信資料館

山崎 元の「ホンネの投資教室」

  • 第九回 「行動ファイナンス」と毎月分配型ファンド
    外債ファンドの毎月分配の問題点として「(1) 複利効果が薄い」、「(2) 手数料、信託報酬が高い」、「(3) 為替リスクについて理解が少ない」ことを挙げています。上記を踏まえて毎月分配が人気である理由について行動ファイナンスが絡んだ商品だとしています。ナカナカ奥深いですね。
    記事中の「毎月分配型のファンドはよく売れているのだから、これは、投資家のニーズに応えた良い商品なのだ。顧客こそが正しい」という外資系の信託会社の意見は納得いきませんね。
    投資家のニーズではなく販売会社のニーズなのでは?

*1 私も運用当初は勘違いをしていました。銀行のネーサンも私が勘違いをしていることを知っていたのに大して注意してくれないのは如何なものかと。注意してくれたっていいじゃないか(泣。
*2 累積投資、累投
*3 タコは食糧事情が悪くなると自らの足を食べることでその場を凌ぐそうです。そのような様から「タコの足配当」→「タコハイ」になったそうな。

Last-modified: 2010.05.05 (水) 01:54:35 (2726d)